日米政府、「戦略的投資イニシアティブ」で初の半導体製造プロジェクト実施で一致
(米国、日本)
ニューヨーク発
2026年10月16日
日本政府は10月15日(日本時間)、日米の「戦略的投資イニシアティブ」に関し、両国が米国ニューヨーク州における半導体製造プロジェクトを実施することで一致したと発表
した(注)。日米両政府はこれまで同イニシアティブに基づくプロジェクトとして、人工ダイヤ製造、小型モジュール炉(SMR)、天然ガス発電施設など6件の案件を決定しており(2026年3月23日記事参照)、今回が7件目となる。同イニシアティブで半導体事業が選定されるのは初めて。
発表によると、事業総額は約100億ドル規模で、生産設備は2026年内に着工予定だ。将来的な増設により、事業総額は約210億ドルまで拡大する可能性がある。米国商務省は10月14日(米国時間)のSNSへの投稿で、生産設備は米国の半導体受託生産大手グローバルファウンドリーズ(GF)が運営すると説明した。
GFも14日(米国時間)、日米の戦略的投資イニシアティブの一環として、ニューヨーク州マルタに建設する2つの半導体工場の技術提供者および運営者として自社が選ばれたと発表
した。まず約100億ドルを投資し、1つ目の工場を2029年に稼働させる計画だ。本格稼働時には、300ミリメートルのウエハーを年間90万枚生産する能力を見込む。さらに約100億ドルの追加投資を行い、同規模の2つ目の工場を建設する見通しも示した。今回のプロジェクトによって、建設や半導体関連産業で2万7,000人、高度技能を要する製造分野で1,000人の雇用が創出されるとしている。
今回のプロジェクトは、自動車や人工知能(AI)向けデータセンターなど幅広い分野で不可欠な成熟ノード半導体の製造能力を増強し、経済安全保障上重要な半導体の強靱(きょうじん)なサプライチェーンを日米が協力して作り上げることが狙いだ。経済産業省などの発表によると、半導体に関わる複数の日本企業が、プロジェクトへの装置・部素材の供給や半導体の購入に関心を示しているという。
赤澤亮正経済産業相は10月15日の記者会見で、AI開発を巡る競争では、電力と半導体の供給能力が勝敗を決するという指摘があるとした上で、今回の半導体製造プロジェクトについて、「AI時代における競争優位の確保に日米が協力して取り組む上で、大変大きな意義を有する」と述べた。ドナルド・トランプ大統領も14日(米国時間)のSNSへの投稿で、「米国の産業構造を一変させ、次世代に恩恵をもたらすディールだ」「半導体の増産、電力の拡充、エネルギー安全保障の強化、米国の雇用の増加につながる」との意義を強調した。
なお、米国商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST)は10月14日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づくGFに対する助成金(2025年1月20日記事参照)について、複数ある対象プロジェクトへの助成金額の配分を変更することで同社と合意したと発表
した。助成額の合計は変更せず、ニューヨーク州マルタとバーモント州バーリントンにおける一部の半導体製造プロジェクト向けの配分割合を増やす。これに伴い、同社はこれら施設で、先端パッケージング技術などへの投資を拡大する。
(注)日本政府の発表は、経済産業省発表
、外務省発表
、財務省発表
参照。
(甲斐野裕之)
(米国、日本)
ビジネス短信 48c1c629ae5acf43





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