日本の9月の対中東貿易は低迷、米国からのエネルギー調達拡大
(日本、中東、米国、世界)
調査部中東アフリカ課
2026年10月22日
日本の財務省が10月21日に発表した2026年9月の貿易統計(速報値)
によると、日本の世界からの輸入額は前年同月比18.9%増の11兆5,088億円、世界向けの輸出額は16.7%増の10兆9,723億円だった。中東(注)との貿易では、輸入額が7.0%減の8,152億円、輸出額が12.0%減の3,571億円となった。貿易収支は4,581億円の赤字だった。
中東からの輸入額は、国によって回復状況に差がある。アラブ首長国連邦(UAE)からの輸入が前年同月比36.9%増、オマーンが81.4%増となった一方、サウジアラビアは30.8%減、クウェートは59.0%減と大幅減、カタールは99.1%減とほぼ途絶に近い状況だ。サウジアラビアからの輸入は、前月比でみても59.0%の大幅減となった。
9月の中東主要国からの輸入額と前年同月比増減率は次のとおり。
- UAE:5,279億円、36.9%増
- サウジアラビア:1,824億円、30.8%減
- オマーン:401億円、81.4%増
- クウェート:342億円、59.0%減
- カタール:8億2,000万円、99.1%減
- イラン:3億2,600万円、74.3%増
中東向け輸出額は、前年同月比12.0%減と回復が遅れている。国別では、オマーン向けが8.5%増、クウェート向けが2.3%増となった一方、UAE向けは13.3%減、サウジアラビア向けは16.6%減、カタール向けは16.5%減だった。主要品目では「自動車」が13.4%減、「自動車部品」が19.3%減となり、主力の輸送用機器の輸出の低迷が輸出全体を押し下げた。
9月の中東主要国への輸出額と前年同月比増減率は次のとおり。
- UAE:1,537億円、13.3%減
- サウジアラビア:878億円、16.6%減
- クウェート:284億円、2.3%増
- オマーン:194億円、8.5%増
- カタール:148億円、16.5%減
- イラン:1億1,300万円、76.5%減
米国からの代替調達が拡大、原油・LNGの輸入価格は上昇
エネルギーでは、日本の中東からの「原油および粗油」輸入量が9月に前年同月比30.0%減の692万キロリットルとなった一方、輸入額は1.5%増の6,800億円だった。原油価格の上昇が輸入額を押し上げている。一方、世界全体からの「原油および粗油」輸入量は3.1%増の1,117万キロリットルまで回復した。特に米国からの輸入量は約6.1倍の373万キロリットルとなり、中東産の減少を米国産が補う調達構造が定着しつつある(2026年10月14日付地域・分析レポート参照)。
液化天然ガス(LNG)は、日本の世界全体からの輸入量が7.3%減の478万トンだった一方、輸入額は39.2%増の5,906億円となった。中東からは数量が67.2%減、金額が48.5%減と供給低迷が続く一方、米国からの輸入量は約4.1倍に増加、輸入額は7倍超となった。
(注)財務省貿易統計での中東の定義は、イラン、イラク、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、ヨルダン川西岸とガザを含む。トルコは含まない。
(塩川裕子)
(日本、中東、米国、世界)
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