英政府、電力系統への投資を担う公営企業GBGの設立を発表

(英国)

ロンドン発

2026年10月02日

英国のアンディ・バーナム首相は9月29日、与党労働党の党大会における演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、発電、蓄電、およびそれらのサプライチェーンなどに投資する公営企業グレート・ブリティッシュ・エナジー(GBE、2024年8月7日記事参照)の1部門として、グレート・ブリティッシュ・グリッド(GBG)を設立すると発表した。同演説で掲げた、10年以内に英国のエネルギーコストを欧州の近隣諸国と同水準にするという目標の一環。そのほか、ミアタ・ファーンブレー・エネルギー安全保障・ネットゼロ相に家庭用電力料金と国際ガス市場との連動を解消する取り組みを加速するよう指示したことや、北海(注1)について現実的な対応をとることにも言及した。

同日の英国政府の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、GBGはクリーン電力の導入拡大や経済成長の大きな阻害要因を取り除くため、接続の迅速化、エネルギー安全保障の強化、コスト削減を図るための電力系統に対する投資を担う。さらに、GBEとGBGが連携することで、クリーン電力の発電と、それを需要家へ届けるための電力系統インフラの両方を支援することが可能になると強調している。また、GBGの初期立ち上げ費用はGBEの既存の予算から賄い、長期的な予算は今後の歳出見直しの一環として検討するとした。同発表ではさらに、さらなる接続迅速化やコスト削減を目的に、プロジェクトや企業自らによる接続に要する設備の建設を拡大することや、送電プロジェクトの競争入札を加速させる方針も示した。

同発表ではGBGについて、「英国のエネルギーシステムを担う既存の機関に取って代わるものではなく、補完するものであり、既存の送配電事業者の役割に変更はない」とした。他方、前述の首相演説では、「民間事業者に挑戦する公営企業」であり、「これにより競争が激化し、コストが削減され、接続速度が向上する」と述べ、続いて「エネルギー、水道、住宅を再び、より強力な公的管理の下に戻す」と言及した(注2)。9月28日付「ガーディアン」はGBGについて、「英国の公益事業会社を公的管理下に置くための最初の大きな一歩」と評している。

(注1)北海では、過去の開発承認が違法だったとする司法判断により再審査が行われているジャックドー(Jackdaw)ガス田およびローズバンク(Rosebank)油田について、再承認が行われるかが注目を集めている。

(注2)バーナム首相は、これまでもインフラなどの生活必需品の公的管理を強化する考えを表明してきた(2026年7月22日記事参照)。

(齊藤圭)

(英国)

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