米運輸省、民間ロケットの打ち上げ・再突入許可の簡素化を提案

(米国)

ニューヨーク発

2026年10月23日

米国運輸省(DOT)は10月6日、民間事業者によるロケットや宇宙船などの打ち上げや大気圏再突入に関する連邦航空局(FAA)の許認可手続きを簡素化する5つの規則改正案を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。事業者の負担を軽減し、商業宇宙活動の拡大を促す。各規則改正案への意見募集は11月4日まで受け付ける。

民間事業者によるロケットなどの打ち上げと大気圏再突入に関する許可・安全要件は、連邦規則集(CFR)「パート450外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:打ち上げおよび再突入の認可要件」に定められており、2026年3月に旧規則(注1)からの移行が完了した。今回の改正案は、パート450に定められた審査要件や申請手続きを見直し、簡素化するものだ。具体的には、(1)許可申請の電子化、(2)飛行安全解析に関する提出情報の重複削減、(3)機体の飛行範囲を制限して安全を確保する場合の分析要件の緩和(注2)、(4)一定の条件下での落雷リスク評価の例外設定、(5)爆風影響分析の対象の明確化、を提案した。

DOTのショーン・ダフィー長官は発表で、「煩雑な規制によって米国のイノベーターが先導的な役割を果たすことを妨げていては、『最後のフロンティア(宇宙)』を切り開くことはできない」と述べ、安全を維持しつつ、許認可手続きの現代化を進める考えを示した。今回の見直しは、宇宙産業の発展を経済成長や国家安全保障の観点から重視する米政府の方針に沿ったものといえる。2025年8月の大統領令(第14335号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、米国内での宇宙産業や先端防衛技術の開発促進に向け、商業宇宙開発の許認可手続きの迅速化を求めている。米政府は、2030年までに民間事業者によるロケットの年間打ち上げ回数を1,000回へ大幅に引き上げる目標を掲げている(注3)。

(注1)パート450は、(1)打ち上げ許可に関するパート415、(2)打ち上げ時の安全要件に関するパート417、(3)再使用型ロケットの打ち上げ・再突入に関するパート431、(4)その他の再突入機の許可に関するパート435を一本化した規則。2021年3月に発効し、5年間の移行期間を経て、2026年3月10日から統一規則となった。

(注2)事故時の危険が一定区域内に収まり、人や重要施設に及ばない場合には、安全に関する分析を緩和するもの。

(注3)民間の打ち上げ関連データ集計サイト「フライトアトラス」によると、2026年1月1日から10月16日までの間に、米国のロケットによる軌道投入を目的とする打ち上げは146回で、このうち120回は米国航空宇宙メーカーのスペースXによるもの(2026年7月15日付地域・分析レポート参照)。

(大原典子)

(米国)

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