トランプ米大統領、政府文書での「人工知能(AI)」使用を禁止、「スーパーインテリジェンス(SI)」と改称する大統領令発表

(米国)

ニューヨーク発

2026年10月01日

米国のドナルド・トランプ大統領は9月29日、連邦政府の全ての省庁、行政機関の公式文書、対外広報、ウェブサイト、報告書などにおいて、「人工知能(AI)」の代わりに「スーパーインテリジェンス(SI)」の使用を義務付ける大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。今後、行政機関でAIという用語の使用は認められない。

同日発表したファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、米国はAIの発祥地でありその開発と導入において世界をリードしてきたとした上で、AIによる技術は「単に人間の知能を模倣したり自動化したりするだけのものではない」として、「人間の創造性の新たなかたちを解き放ち、米国人がこれまで不可能だったことを達成できる力を与える」ことを表すようSIを用いると解説した。さらにトランプ氏は、SIに関するサイバーセキュリティーや内部統制の強化などに関する合意書を、グーグル、アンソロピック、メタ、オープンAI、XAI、エヌビディアと結んだと自身のSNSで発表した。

なお、トランプ氏は9月24日に行われた米中首脳会談で、習近平国家主席と、AIに代わってSIを用いることや、「米中SI対話」の設置で合意していた。次回の対話は11月までに実施する予定だ(2026年9月28日記事参照)。

トランプ氏はまた9月29日に、連邦政府の情報やサービスにオンラインでアクセスするための単一のデジタル窓口である「America.gov」を立ち上げる大統領令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも発表した。ファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、SIを活用し、2026年中にはAmerica.gov上でパスポートの更新やメディケアへの加入といった手続きを完了できるようになる。

米国ではAIの普及に伴い、データセンターの建設が急増している。一方で、電力価格の高騰などにより、データセンター建設に反対する世論が増えており、マサチューセッツ州ボストンのエマーソン大学の世論調査によれば、データセンター建設に反対する割合は2025年12月の42%から2026年7月に62%へ拡大した(2026年7月24日記事参照)。また、AI技術の急速な発展に対する米国民の懸念も拡大しており、こうした一連の発表は、11月の中間選挙を見据え、AIやデータセンターに対するネガティブな印象を払拭するためとの指摘もある(CNBC9月29日)。

(赤平大寿)

(米国)

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