欧州委、メタン規則の輸入関連規定適用を1年延期する改正案を発表
(EU、中東)
ブリュッセル発
2026年10月16日
欧州委員会は10月14日、エネルギー部門から排出されるメタンガス削減に関する規則について、輸入事業者向けの規定の適用を1年間延期する改正案を発表した(プレスリリース
)。中東情勢を背景にエネルギー価格の高騰や供給不安が続く中、エネルギー安全保障への影響を緩和することが狙いとしている。
改正案では、天然ガス、石油、石炭の輸入事業者に課される監視・報告・検証(MRV)義務のほか、輸入事業者およびEU域内生産者に適用されるメタン排出原単位に関する報告義務の適用を1年延期する。欧州委は、中東情勢を受けた世界的なエネルギー供給の混乱が続く中、輸入化石燃料の安定調達への追加的な影響を回避するための措置と説明した。また、今回の提案は適用時期の見直しに限定された措置であり、メタン排出削減という規制の目的に変更はないとの立場を示している。事業者が規則への対応を着実に進められるよう、追加の準備期間を設けることが必要であるとしている。
改正案は今後、欧州議会とEU理事会(閣僚理事会)で審議される。なお、欧州委は7月に加盟国に対し、輸入事業者による2027~2029年の義務違反については、原則として規則で定める罰則を適用しないよう求める勧告を公表していた(2026年7月30日記事参照)。
現地報道によると、石油・ガス業界団体は3年間の延期を求めているほか、一部加盟国からもさらなる延期を求める声が上がっている。また、EU外交筋は「米国からの圧力とは無関係」と述べたと報じられている。
(薮中愛子)
(EU、中東)
ビジネス短信 231d1effc046ce94





閉じる