ダンゴテ・グループ、ケニア・ラム港で大型製油所の建設に着工

(ケニア、ナイジェリア)

ナイロビ発

2026年10月15日

ナイジェリアの複合企業大手ダンゴテ・グループは9月30日、ケニア沿岸部のラム港で大型製油所の起工式を開催した。グループを率いるアリコ・ダンゴテ氏とケニアのウィリアム・ルト大統領のほか、エチオピアのアビィ・アハメド首相、ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領らが出席した。東アフリカ地域のエネルギー供給体制に大きな影響を与える事業として各国の高い関心を集めている。

投資額は2兆2,000億ケニア・シリング(約2兆6,400億円、1ケニア・シリング=約1.2円)、完成時には日量70万バレルの原油処理能力を備える計画で、2030年の操業開始を目指す。ナイジェリア・ラゴス近郊で大型製油所を運営するダンゴテは、東アフリカでも域内向け燃料供給拠点の構築を目指している。ルト大統領は起工式で、同事業がエネルギー安全保障とアフリカ経済の高付加価値化、地域経済統合を後押しすると述べた。

計画地は当初、タンザニア北東部のタンガ港周辺が有力候補と報道されていた。同地は東アフリカ原油パイプライン(EACOP)の終点であり、ウガンダ産原油との接続が容易と見込まれていた。しかし、港湾機能や市場規模の優位性からケニアを優先し、モンバサ案を経てラム港に決定したとみられる。ラム港はケニア政府が推進する物流回廊開発構想(LAPSSET)の中核を担う深水港であり、周辺国への輸送拠点としても期待される。

原油は当初、国際市場から輸入するが、ウガンダや南スーダンなど東アフリカ産油国やケニア産の石油の利用の可能性も報道されている。ただし、ケニアは現時点で商業規模の原油生産を開始しておらず、製油所の安定稼働に必要な原油供給体制の確立が課題となる。

複数報道によれば、ダンゴテは自己資金や債券、9月14日に開始した新規株式公開(IPO、2026年9月17日記事参照)などを組み合わせた資金調達の方針を示している。今回起工した製油所も、操業安定化後はナイロビ証券取引所への上場を検討しているという。また、東アフリカ各国政府に計30%の出資機会を提供し、ケニアが既に647億ケニア・シリングの出資を表明、ウガンダ、ルワンダ、エチオピアなどが関心を示している。

一方、建設予定地の一部で住民が土地権利を主張して提訴し、裁判所が係争地に関して現状維持命令を発したとの報道もある。ダンゴテは起工式自体の差し止めはなかったとして予定どおり実施したが、係争地での現場作業は一部制約を受ける可能性があるとしている(9月29日付ロイター)。

(佐藤丈治)

(ケニア、ナイジェリア)

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