原油処理能力世界最大級のナイジェリア・ダンゴテ製油所がIPOを実施

(ナイジェリア)

ラゴス発

2026年09月17日

シングルユニットとしては世界最大級の原油処理能力(日量70万バレル)を有するナイジェリアのダンゴテ製油所は、9月14日から10月13日までの日程で新規株式公開(IPO)を実施している。募集株数は41億株、「国民のためのIPO」を掲げ、1株525ナイラ(約63円、1ナイラ=0.1202円)、最低10株(5,250ナイラ、約631円)から投資可能な国民参加型の株式公開として注目を集めている。IPOによる調達額は約16億ドルと見込まれ、報道によれば、公開価格ベースの企業価値は約490億ドルとなる。

ダンゴテ製油所はIPOに先立ち、2026年7月に機関投資家向けの第三者割当増資を実施し、約25億ドルを調達した。参加投資家には、アフリカ金融公社やアフリカ輸出入銀行が支援する投資ファンド・投資会社が含まれる。また、6億ドルの私募と4億ドルのIPO向け引受保証から成る総額10億ドルの引受プログラムの完了を発表しており、IPOに向けた資金調達基盤を強化してきた。

ナイジェリアの実業家アリコ・ダンゴテ氏が率いるダンゴテ・グループは、製油、肥料、セメント、砂糖などを主力事業として展開し、2030年までにグループ全体で年間売上高1,000億ドルの達成を目指している。ダンゴテ製油所では、第2トレインの建設により、原油処理能力を日量140万バレルへ倍増する拡張計画を進めている(2025年12月1日記事参照)ほか、ケニアでも製油所建設計画を進めている。また、肥料事業では、天然ガスを原料とする尿素肥料工場をナイジェリア国内で運営しているほか、エチオピアでも肥料工場の建設を進めている(2026年4月1日記事参照)。

ダンゴテ製油所は、ネルソン複雑度指数(Nelson Complexity Index、NCI)が11.5と高く(注)、欧州排ガス規制「ユーロ5規格」に適合したガソリン、軽油、航空燃料を生産するアフリカ最大級の燃料供給拠点であり、ナイジェリアのエネルギー自立化と石油製品輸出拡大の中核を担っている。ダンゴテ製油所の稼働により、ナイジェリアは石油製品の純輸入国から輸出国へと転換しつつある。海上石油製品出荷量は2023年と比べて約7倍に増加し、輸入依存度が大幅に低下したほか、欧州向けを中心にジェット燃料などの輸出が拡大している。この結果、ナイジェリアの石油製品貿易やエネルギー供給構造にも変化がみられる。

(注)製油所の設備の高度化・精製能力を示す指標。数値が高いほど高付加価値の石油製品を生産でき、10以上の指数は、高度な精製能力を持つ製油所であることを示す。

(奥貴史)

(ナイジェリア)

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