WIIWが秋季経済予測を発表、中・東欧と西バルカンは逆風下でも成長維持

(中・東欧、西バルカン、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、ウクライナ)

ウィーン発

2026年10月29日

ウィーン比較経済研究所(WIIW)は10月21日、中・東欧および西バルカンの秋季経済予測を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。WIIWは、中・東欧と西バルカンが、地政学的ショックやエネルギー価格上昇という逆風に直面しながらも堅調な成長を維持し、西欧を上回る成長を続けていると指摘。2027年の経済予測は、2026年7月に発表された夏季経済予測(2026年7月24日記事参照)から大きな変化はなかった。さらにWIIWは、「これまで同地域の成長を支えてきた安価な労働力・外国投資・ドイツの産業需要による伝統的な成長モデルは、高付加価値な製品やサービス、個人消費の拡大と公共投資に基づく成長モデルへと根本的に転換しつつある」と指摘した。

全般的に中・東欧および西バルカンの経済成長の底堅さは際立つ。2026年にはこれら地域の半数を超える国が2010年以降の平均成長率を上回る成長を記録する見込みで、2027年は主にポーランド、西バルカンが成長を牽引すると予測されている(添付資料表参照)。ポーランドの実質GDP成長率は2026年に3.7%、2027年に3.0%を見込む。西バルカン6カ国は好調で、2026年に平均3.2%、2027年に3.3%で成長する見通しだ。

一方、国ごとでみると経済成長に差もあり、ルーマニアは財政再建の影響で2026年にマイナス0.4%成長となり、スロバキアも0.5%の低成長にとどまる見通し。さらにウクライナでは、ロシアによるインフラ攻撃の激化が経済活動を制約し、成長率見通しは2026年に0.6%、2027年に2.1%と、前回予測から引き下げられた。

またインフレにも警戒が必要となっており、エネルギー価格上昇によって2027年のインフレ率の見通しは対象国・地域全体の平均で0.2ポイント引き上げられ、多くの中央銀行は利下げを停止している。個人消費は依然として成長の原動力だが、実質賃金の伸びが鈍化していることから、成長への寄与は弱まるとみられる。

こうした中、WIIWは中・東欧および西バルカンの成長の鍵を握るのは投資であると指摘。EU基金の活用、防衛関連投資、自動化や生産性向上への対応が、重要な機会をもたらすとした。ポーランドでは過去10年間でハイテク製造業の実質生産が約40%増加し、チェコやハンガリーでも高付加価値産業へのシフトが進んでいる。

(エッカート・デアシュミット)

(中・東欧、西バルカン、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、ウクライナ)

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