9月の米小売売上高は前月比0.8%増と予想上回る、ガソリン価格高騰が全体を押し上げ
(米国)
ニューヨーク発
2026年10月21日
米国商務省の速報
(10月15日付)によると、9月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.8%増の7,450億ドル(添付資料表参照)となり、ブルームバーグの市場予想(0.3%増)を上回った。また、8月は同1.2%増(速報値、2026年9月18日記事参照)から1.3%増へと上方修正された。
燃料価格高騰でガソリンスタンドが牽引
業種別にみると、燃料価格の値上がりを反映したガソリンスタンドが前月比6.4%増と全体を最も押し上げた。全米自動車協会(AAA)によると、全米のレギュラーガソリン平均価格は1ガロン(約3.8リットル)当たり4.33ドル(10月15日時点)に達しており、秋季としては過去最高水準を維持している。そのほか、フードサービス(1.1%増)、家具(1.3%増)、ヘルスケア(0.7%増)などが手堅く推移した。一方、8月に好調だったオンラインを含む無店舗小売りは0.3%増と伸びが大幅に低下し、自動車・同部品も0.2%増にとどまった。さらに、衣料は前月比で横ばいとなったほか、建材・園芸用品(0.6%減)、スポーツ・娯楽品・書籍(0.5%減)などは減少となった。
今回の小売売上高(名目値)の上振れはガソリン価格の上昇に起因する側面が大きく、業種ごとのばらつきもみられるため、個人消費の底堅さが持続するかは依然として不透明との見方が多い。オックスフォード・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、マイケル・ピアース氏は、「総合指数が大幅に跳ね上がったのは、ほぼ完全にガソリン価格の上昇によるもの」と指摘。第3四半期の個人消費は年率3.3%増ペースを維持しているものの、物価高の重荷から年末商戦に向けて勢いは失われると予想する。また、会計・コンサルティング大手BDOの小売り・消費財部門ナショナル・リーダー、ナタリー・コトリアー氏も、消費が全面的に強いと捉えるべきではないと強調。「インフレ率が3%を超えて推移し、ガソリン価格も高騰している中、今回の伸びの一部は単なる物価上昇によるものだ。多くの買い物客は、貯蓄の切り崩しやセール活用で予算をやり繰りしている」と分析した(「AP通信」10月15日)。
(樫葉さくら)
(米国)
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