ドイツ極右政党AfD所属議員が初の州議会議長に選出、ザクセン・アンハルト州
(ドイツ)
ベルリン発
2026年10月13日
ドイツ東部のザクセン・アンハルト州議会は10月6日、9月6日実施の州議会選挙(2026年9月10日記事参照)後の初会合を開催し、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」所属のトビアス・ラウシュ州議会議員を州議会議長に選出。AfD所属議員がドイツの州議会議長に就任したのは初めてだ。
第1党のAfDが同党所属のラウシュ議員を議長候補として擁立。83議席中82人が出席(注1)した秘密選挙の結果、有効投票総数は82票で、賛成48票、反対29票、棄権5票により、同議員が州議会議長に選出された。州議会の議席構成はAfDが39議席、AfD候補支持を事前表明していた左派ポピュリズム「社会的公正と経済的合理性のための同盟(BSW、注2)」が5議席で、両党合計44議席に対し、ラウシュ議員は48票を獲得し、AfDとBSWの議席数を上回った。これを受けドイツ公共放送ARD(10月6日)は、少なくとも4票はAfD・BSW以外から投じられたと指摘。また、15議席を有するキリスト教民主同盟(CDU)は所属議員に議長選挙を棄権するよう勧告しており、各8議席の社会民主党(SPD)・緑の党・左翼党はいずれも反対を表明していたにもかかわらず、棄権票が5票にとどまったことについては、AfDがどの陣営から追加の票を得たかは明らかになっていないと報じた。
上位3会派が候補者を擁立できる副議長選挙も同日に行われ、AfDとCDUから各1人が選出された一方、SPD所属候補は必要な支持を得られず不選出となった。これにより、AfDは議長と副議長のポストを獲得した。
今後は、2026年12月に予定される州首相選挙が焦点となる。AfDのウルリヒ・ジークムント州議会議員は州首相選挙への立候補を表明している。AfDは9月の州議会選挙で第1党となったものの、83議席中39議席にとどまり単独過半数には届いていない。州首相は州議会による秘密投票で選出され、第1回または第2回投票において議員総数の過半数に当たる42票が必要となる。地元公共放送MDR(10月6日)は、今回の議長選挙をAfDにとって「多数派の有無を確認する最初の試験」と位置付けた。その上で、AfDとBSWの保有議席数44議席を上回る支持が得られたことから、CDUは12月の州首相選挙に向けた多数派形成の動向に注目しているとの見方を示した。
(注1)経済誌「ハンデルスブラット」(10月6日)はCDU所属議員1人が病欠だったと報じた。
(注2)旧名称はザーラ・ワーゲンクネヒト同盟。2025年12月の党大会にて、2026年10月から党正式名称を変えることが決まっていた。略称はBSWのまま。
(中山裕貴)
(ドイツ)
ビジネス短信 09251534d4ae16c6





閉じる