ドイツ東部ザクセン・アンハルト州議会選挙、極右AfDが得票率43.8%で第1党、連立協議が焦点に
(ドイツ)
ベルリン発
2026年09月10日
ドイツ東部のザクセン・アンハルト州で9月6日に州議会選挙が実施された。9月8日時点の暫定結果
(ドイツ語)によると、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が得票率43.8%を獲得し、第1党となった。一方、州政権を率いてきたキリスト教民主同盟(CDU)は17.2%にとどまり、大幅に後退した。AfDは州議会最大勢力となる見通しだが、単独過半数には届いておらず、今後の政権形成協議が焦点となる。
暫定結果によると、比例代表票(第2票:Zweitstimme)の得票率は、AfDが43.8%(前回2021年選挙の得票率比:23.0ポイント増)、CDUが17.2%(19.9ポイント減)、社会民主党(SPD)が9.3%(0.9ポイント増)、緑の党が8.9%(3.0ポイント増)、左翼党が8.6%(2.4ポイント減)、ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)が5.3%(2024年1月に創設されたため前回選挙では実績なし)となった。自由民主党(FDP)は2.6%(3.8ポイント減)にとどまり、議席獲得に必要な5%条項(注1)を下回った。なお、投票率は77.8%となり、前回選挙(60.3%)を17.5ポイント上回った。
州議会83議席の議席配分は、AfDが39議席、CDUが15議席、左翼党、緑の党、SPDが各8議席、BSWが5議席となる見通し。過半数は42議席で、AfDは単独過半数に3議席届かない見込み。
同州では2021年の州議会選挙後、CDU、SPD、FDPによる3党連立政権が発足。2026年1月からはCDUのスベン・シュルツェ首相が州政権を率いてきたが、今回の選挙結果を受け、現行の連立与党は州議会で過半数を維持できない見通しとなった。
今後は、新州議会発足に向けた政権形成協議が焦点となる。AfDは最大勢力となったものの過半数を確保できていない。また、CDUをはじめとする主要政党は、AfDとの連立や協力を排除する「ファイアウォール」(注2)を維持する立場を示している。さらに、CDUは左翼党との協力を否定する立場を示しており、政権形成の選択肢は限られている。こうした中、5議席を獲得する見通しのBSWが、今後の政権形成において重要な役割を果たす可能性があるとの見方も出ている。
今回の選挙は、AfDが州議会選挙で初めて第1党となり、州政府の発足を左右する立場となったことで国内外から注目を集めている。州政府は連邦参議院を通じて連邦法案の審議・採決にも関与するため、今後の政権形成の行方は州政治にとどまらず、国政にも影響を及ぼす可能性がある。ドイツ主要メディアは、2週間後に控えるベルリン州およびメクレンブルク・フォアポンメルン州の州議会選挙への影響にも注目している。
(注1)(有権者が有する2つの投票権のうち第2票の)得票率が5%未満の政党は、州議会で議席を割り当てられない。
(注2)民主的な政党が極右政党との協力を拒否するという戦後ドイツの基本的なコンセンサス。
(中山裕貴)
(ドイツ)
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