シンガポール・マレーシア間鉄道「RTSリンク」、運行開始を2027年2月に延期
(シンガポール、マレーシア)
シンガポール発
2026年10月06日
シンガポール陸運庁(LTA)とマレーシア運輸省は10月2日の共同声明で、両国を結ぶ「高速輸送システム(RTS)リンク」の運行開始を2027年2月に延期すると発表した。RTSリンクは2026年末までの運行開始を予定していたが、約2カ月延期される。
共同声明によると、延期の理由は、RTSリンクの安全確認に時間を要するため。RTSリンクを運行するRTSオペレーション(RTSO)は、12月31日までに最終的なシステム試験と試運転を終了する見通しだ。その後、RTSOは独立した安全評価機関から安全認証を取得する。両国当局はその認証結果を審査した上で、正式な運行ライセンスを発行するとしている。RTSOは、シンガポールの鉄道・バス運行会社SMRTとマレーシアの鉄道・バス運行会社プラサラナ(Prasarana)の合弁会社だ。
RTSリンクは、シンガポールの大量高速鉄道(MRT)のウッドランド・ノース駅と、マレーシア南部ジョホール州のブキット・チャガール駅の約4キロを結ぶ。輸送能力は1時間当たり片道最大1万人を見込む。両国の発着駅にはそれぞれ、両国の税関・出入国・検疫(CIQ)施設が設置される。これにより、乗客は乗車前に出国と入国の手続きを一度に済ませることができる。
RTSリンクはシンガポール側のウッドランド・ノース駅の地下で、既存のMRTトムソン・イーストコースト線にシームレスに乗り換えができる(ジェトロ撮影)
ジョホール州とシンガポールは現在、コーズウェイ橋と第2連絡橋(セカンド・リンク)で結ばれており、越境通勤・通学者や旅行客など、毎日約30万人が行き来している(2024年7月23日記事参照)。RTSリンクの開通により、コーズウェイ橋の混雑緩和が期待されている。
RTSリンクを巡っては、両国政府が2010年5月、ジョホール州とシンガポールを結ぶ鉄道の建設に合意した。その後、両国政府は2018年1月に、2024年の開通を目指すことで合意したが、2019年4月にマレーシア政府の要請によりプロジェクトを一時中断した。工事は2020年7月に再開し、運行開始時期を2026年末としていたが、今回、2027年2月に延期された(2023年5月15日記事参照)。
シンガポール側から見た対岸マレーシア・ジョホール州を結ぶRTSリンクの高架橋(ジェトロ撮影)
(本田智津絵)
(シンガポール、マレーシア)
ビジネス短信 023ea1024613a18e





閉じる