発展改革委員会など、重要工業製品のコスト算出要件を規定、企業に価格行為の規範化を求める

(中国)

北京発

2026年09月29日

中国の国家発展改革委員会(発改委)と市場監督管理総局は9月3日付で「重要工業製品の無秩序な低価格競争のコスト算出関連事項に関する通知(発改価格[2026]1303号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した(注1)。同通知は、2025年9月28日付で公表された「無秩序な価格競争の是正と市場価格秩序の維持に関する公告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2025年10月16日記事参照)で定められているコスト調査の要件を規定したものとなる。

発改委は本通知の解説において、「内巻」式競争(過度な競争)の是正により、重点業界の競争状況には一定の改善がみられるものの、一部工業製品の生産において非理性的な競争が依然として顕著であるとの認識を示した。その上で、現在の価格に関する法律法規におけるコスト関連規定は原則的な内容にとどまっており、コスト算出要件が具体的でなかったことを、本通知を公布した背景として説明した。

通知では、発改委および市場監督管理総局は無秩序な低価格競争を行っている疑いのある事業者に対して注意喚起や警告を行い、必要な場合はコスト調査を実施し、事業者の関連コストを算出するとしている。コスト算出は原則として事業者が生産する製品単位のコストを基礎とし、コストに計上する費用は監査法人の監査を受けた財務諸表に基づき、算出期間に会計監査を受けていない場合は事業者が提供する証憑(しょうひょう)や帳簿に基づくものとした。事業者の採用するコスト算出方法や記載した数値が合理的でない場合には調整することができるとした。費用は製品の販売価格に含まれる内容と一致しなければならないとされた。

事業者の取り扱う製品の種類が単一である場合は、原則として事業者全体を算出対象とし、製品の種類が多く、かつ当該製品の事業セグメント単位で明確に算出できる場合は、製品の事業セグメント単位で算出することができるとした。コスト算出の期間や範囲は業界の特性や原料調達、生産・販売サイクルなどの要素を総合的に考慮して定めるとした。製品単位のコストが算出できない場合は、当該製品の業界平均コストを参考にして一定の調整を加えて算出するものとした(注2)。

なお、発改委は、本通知は事業者の自主的な価格設定行為に干渉するものではなく、事業者による正確なコスト算出やコンプライアンスに則った経営、価格行為の自主的な規範化を支援するものであると説明している。また、事業者の参考とするため、今後、業界団体などの関連機関に業界コスト算出に関する標準を策定するよう指導していくとした(注3)。

(注1)国家発展改革委員会ウェブサイトへの掲載日は9月10日。本通知は各省・直轄市・自治区などの発展改革・市場監督関連部門に宛てて発出されたものとなっている。

(注2)業界平均コストは、業界団体などが発改委、市場監督管理総局および業界主管部門の指導の下で推計するとした。推計にあたっては、全数調査もしくはサンプル調査を行い、サンプル調査を行う場合は製品の種類、事業者の規模、生産地の分布、技術ロードマップ、稼働率などの要素を考慮して、代表性のある事業者を抽出するものとした。地域によってコスト差が大きい業界については、地域単位で推計することができるとした。

(注3)業界単位の取り組みとしては、中国太陽光発電産業協会が7月27日、国家市場監督管理総局や工業情報化部の指導の下で、同業界のコスト算出に関する団体標準を公布した例などがある。

(小宮昇平)

(中国)

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