欧州委の公共調達規則案、産業界はおおむね支持を表明
(EU)
ブリュッセル発
2026年09月24日
欧州委員会が9月9日に発表した公共調達規則案(2026年9月15日記事参照)について、欧州産業界からはおおむね歓迎する声が上がった。価格と品質を総合的に評価する「最適価格品質比(BPQR)」の採用などを支持した一方で、一部業界団体からは、競争条件やサプライチェーンへの影響に十分配慮した制度設計を求める意見も示された(注)。
ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)
は、同規則案が公共調達市場の機能改善やEU産業の競争力強化に焦点をあて、調達プロセスのデジタル化や簡素化を推進する点を歓迎した。しかし、欧州委がEU産業の競争力強化の手段として、過度に公共調達を活用することには懸念を示し、競争原理が働き、事業者の手続き負担を抑える公共調達市場の形成に注力すべきと主張した。
欧州中小企業連合会(SMEunited)
は、最低価格方式や大型契約への偏重により、不利な立場に置かれがちだった中小企業の市場参入機会の拡大につながると評価した。特に、契約の分割発注の検討義務や前払い原則、BPQRの採用を歓迎した。しかし、中小企業の市場参入を阻む慣行の1つである、調達を行う公共機関が支配する関連法人への内部発注を一定条件下で調達規則の適用除外とした点については、公正な競争環境を促す取り組みを考慮していないと不満を示した。
欧州製薬団体連合会(EFPIA)
は、BPQRの採用は高品質な医薬品の安定供給やイノベーション促進に資すると支持した。一方、EUはグローバルな供給網に組み込まれており、現地調達要件の適用は競争を制限し、供給の安定性を阻害する恐れがあるとし、慎重な運用を求めた。
欧州最大の農業協同組合・農業生産者団体COPA-COGECAは、EUの食料生産基盤を維持するにあたり、学校や医療機関などによる大規模調達の役割は大きいと指摘。食品調達に関する条項(規則案53条)において、公正な生産者所得に言及し、品質認証制度、地理的表示(GI)、オーガニック生産やアニマルウェルフェアなどを重視することを明記した点を歓迎した。同時に、今後の審議過程で条文を明確にし、調達機関が一貫性と実効性がある判断をするのに必要な柔軟性と透明性を確保する必要があると指摘した。
(注)各団体の発表は全て9月9日付。
(滝澤祥子)
(EU)
ビジネス短信 e62c601f4f6d342f





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