日本製鉄、スロバキア拠点への約9億ユーロの投資を決定
(スロバキア、日本)
プラハ発
2026年09月29日
日本製鉄は9月16日、同社が2025年6月に完全子会社化したUSスチール(2025年6月19日記事参照)の100%子会社で、スロバキア東部の事業拠点であるUSスチール・コシツェ(U.S.Steel Košice、 以下「USSK」)に対して、電気炉建設および酸素プラント新設に約9億ユーロを投資することを決定したと発表した(プレスリリース
)。また前日の9月15日、本投資に関して、スロバキア政府と3億4,959万ユーロの補助金契約を締結した。
USSKは、粗鋼年間生産量322万3,000トン、売上高29億300万ユーロ、従業員数7,573人(いずれも2025年実績)の中・東欧最大の鉄鋼メーカー。USSKは、2026年10月1日付で日本製鉄の直接子会社となり、社名を「Nippon Steel Slovakia」(以下「NSSK」)へ変更する。
今回新設が決定した電気炉は2030年、酸素プラントは2029年に稼働開始予定。年間約160万トンの生産能力を有する電気炉を既存の高炉設備と組み合わせることにより、高品質鋼材の安定供給と大幅な二酸化炭素(CO2)排出量削減の両立を見込む。また酸素プラントの新設は、製鉄所の安定操業を支えるとともに、エネルギー効率の向上およびCO2排出量削減に寄与する。
日本製鉄は、NSSKをグローバル戦略における欧州の中核拠点と位置付け、脱炭素の取り組み推進とともに、高品質の製品・サービスの提供、雇用の維持などを通じて、欧州地域の発展に貢献していく方針。
USSKは、今回の投資が同社、同社の従業員、顧客、そして中・東欧地域にとって重要な節目であるとし、コシツェにおける鉄鋼生産および雇用機会の長期的展望を強化すると強調した。
今回のスロバキア政府の補助金は、EU近代化基金を財源としたもので、政府は本プロジェクト支援が、温室効果ガスの排出量削減と国内産業の近代化に大きく寄与すると見込んでいる。CO2排出量削減の規模に関しては、同国の年間排出量の約8.7%に当たる296万トンに達すると予想し、これは150万台の乗用車が1年間に排出する量に匹敵するとしている。
補助金契約の調印式に同席したロベルト・フィツォ首相は、今回の日本製鉄の決定を「スロバキア東部における鉄鋼生産の将来性を裏付けるもの」と評して、同社への謝意を表明。さらに、日本の投資家は東部において優秀な人材や良好な環境を見いだすだろうと述べ、同国東部への日本企業の進出促進に対する期待感を示した。
(中川圭子)
(スロバキア、日本)
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