チェコ政府、燃料価格引き下げパッケージを再導入、同時に製油企業の超過利潤税導入案を可決
(チェコ)
プラハ発
2026年09月29日
政府は9月21日、緊迫した中東情勢の継続、サウジアラビアの石油供給制限、および燃料の卸売・小売価格の上昇圧力が高まっている現状を鑑み、10月1日付で燃料価格引き下げパッケージ(2026年4月10日記事参照)を再び導入することを決定した。有効期限は10月31日で、内容は7月19日付で終了した前回と同様、ガソリン・軽油小売業者のマージン上限設定、ガソリン・軽油の小売上限価格設定、および軽油物品税のEU最低水準への引き下げから成る。
アレナ・シレロバー財務相は、パッケージ再導入に関して、「著しいインフレ抑制効果をもたらし、企業、家計の負担を軽減するとともに、チェコの燃料価格をEU最低水準にとどめるもの」と説明している。10月1カ月間の物品税引き下げによる国庫収入減については、約11億コルナ(約81億円、1コルナ=約7.4円)と財務省は見積もっている。
また同日、製油企業に対する超過利潤税の導入を定めた所得税法改正案が可決された。同法案が成立すれば、対象企業は2026年と2027年において、2025年比の粗利益増加分の50%が課税されることになる。財務省はこれを、地政学リスクと石油・石油製品市場の混乱による石油精製業者の利幅の急増に対応するものと説明している。シレロバー財務相は、「世帯、運輸業者、企業および国家が燃料価格の高騰による負担を強いられている一方で、製油業界は石油と完成品の価格の大幅な差額により、異例の利益を上げている。従って、こうした収益の一部を、危機的状況により生じた消費者および公的予算の負担の一部に充当することは妥当」と指摘している。
チェコ産業連盟は、9月22日に発表した声明の中で、燃料価格引き下げパッケージに関して、「価格高騰とそれに伴うインフレ圧力のネガティブな影響を回避しようとする政府の努力は理解できる」とし、特に軽油の物品税引き下げを評価した。一方、マージンや価格の上限設定に関しては、国家の価格形成への直接介入や長期的な価格統制がもたらすリスクへの注意を喚起し、より適切な措置として、エネルギー価格高騰のあおりを最も受ける部門に的を絞った支援、例えば、冶金(やきん)・鉱物加工用の燃料に対する環境税の免除措置などを提案している。また特定の部門に対する特別税の導入に対しても、市場環境に悪影響を及ぼす可能性があるとして慎重な姿勢を示している。
(中川圭子)
(チェコ)
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