インド政府、UPI決済の手数料制度を見直し

(インド)

ムンバイ発

2026年09月24日

インドの財務省とインド決済公社(NPCI)は9月15日、統合決済インターフェース(UPI:Unified Payments Interface)の加盟店手数料(MDR:Merchant Discount Rate)に関する新たな枠組みを公表した(添付資料参照)。当枠組みは10月15日から適用される。加盟店でのUPI決済のうち、2,000ルピー(約3,200円、1ルピー=約1.6円)超の取引については、加盟店に対して0.4%のMDRを適用する。一方、個人間の送金や2,000ルピー以下の決済は引き続き無料とし、UPI利用者への手数料負担も発生しない。MDRの適用内容は次のとおり。

(1)個人間の送金および小規模加盟店(屋台、タクシー運転手など)

  • 金額にかかわらず、すべて無料。

(2)一般加盟店

  • 2,000ルピー以下:無料。
  • 2,000ルピー超~7万5,000ルピー未満:MDR0.4%。
  • 7万5,000ルピー以上:MDR0.4%(1取引当たり300ルピーを上限)。

(3)生活必需関連分野(鉄道、通信、保険など)

  • 2,000ルピー超:一律5ルピー。

UPIは2016年に導入されて以降、急速に普及し、インドのデジタル決済インフラの中核となっている(2025年4月24日付地域・分析レポート参照)。今回の発表では、高額取引に限定してMDRを導入することで、決済インフラの維持・強化に必要な収益基盤を確保する狙いがある。徴収されたMDRは銀行、決済サービス事業者、NPCIなどのエコシステム参加者の間で配分され、インフラ増強や不正対策、サイバーセキュリティー強化、イノベーション投資などに活用される。財務省は、取引件数ベースで95%以上を占める2,000ルピー以下の決済については、従来どおり無料で利用できるため、一般消費者や小規模事業者への影響は限定的としている。一方で、高額決済に対応する大手小売業者やサービス事業者にとっては、新たなコスト負担となる可能性がある。

今回の制度変更は、急成長するインドのデジタル決済市場を持続的に運営するための新たな取り組みと位置付けられる。インド政府はUPI利用者の負担を抑えつつ、決済インフラへの投資を促進し、今後は地方部や中小事業者などへのさらなる普及拡大につなげていく方針だ。

(野本直希)

(インド)

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