イラク民間企業、北部石油・ガス田の25年契約を締結
(イラク)
ドバイ発
2026年09月29日
イラク国営の北部石油会社(NOC)は9月12日、イラク中北部のティクリート近郊にあるアジール石油・ガス田について、同国民間エネルギー企業のKEPPTと25年間の開発・操業契約を締結した。契約では、同石油・ガス田のガス生産を現在の日量約1億3,500万標準立方フィートから3億標準立方フィートへ、原油生産を同3万バレルから4万バレルへ段階的に引き上げる計画だ。原油の増産幅に比べ、ガス生産を2倍以上に拡大する点が特徴となる。
KEPPTは、イラク北部クルド自治区のエルビルを拠点とする民間エネルギー企業KAR Groupの姉妹会社で、発電、石油・ガス、インフラなどを手掛ける。KARは2024年の第5次追加・第6次石油・ガス開発プロジェクトに対するライセンス供与のための入札で3案件を落札した(2024年5月17日記事参照)。その後、ディマ、アラン、ササンの3油田とカリシヤ鉱区について石油省傘下企業と開発契約を締結しており、連邦政府所管の上流開発でも石油・ガス開発へ事業領域を広げている。
イラク閣議は2024年4月、アジール石油・ガス田への投資提案を同社に限って求めることを承認していた。ただし、石油開発ライセンスの有資格企業をコンソーシアムに加えることを条件とした。今回の署名によって、案件は25年間の正式契約段階に進んだ。英国エネルギー専門誌MEESは2026年9月18日、KEPPTがオマーンのPetrogasと組んで同石油・ガス田を開発する、と報じた。
今後の焦点の1つは、増産するガスの処理能力だ。アジール石油・ガス田で生産されるガスは現在、同国の北部ガス会社(NGC)の設備へ送られている。石油省の採掘担当次官は8月、増産目標の達成には生産だけでなく、処理・輸送能力も整備する必要があると説明し、NGCの既存設備で計画数量を処理できるか、追加開発が必要かを判断する技術調査を関係当局に指示した。
このため、案件の進展に伴い、油・ガス田そのものの開発だけでなく、ガス処理、圧縮、輸送、計装など周辺設備への投資につながる可能性がある。ただし、25年契約自体の投資額や報酬方式、具体的な開発工程、設備調達や下請けの発注計画は、今回の契約発表では明らかにされていない。
(大野晃三、オマール・アル・シャメリ)
(イラク)
ビジネス短信 8967bc748ea716b7





閉じる