米下院委、敵対国による米自動車産業への関与を調査する法案を可決
(米国、北朝鮮、中国、ロシア、イラン)
ニューヨーク発
2026年09月25日
米国連邦議会下院エネルギー・商業委員会は9月16日、敵対国が米国の自動車産業にもたらす国家・経済安全保障上のリスクを調査する「2026年自動車国家・経済安全保障法案(Automotive National and Economic Security Act of 2026、H.R.10158)」を出席委員による全会一致で可決し、下院本会議に報告
した。同法案は、ダイアナ・ハーシュバーガー下院議員(共和党、テネシー州)とデビー・ディンゲル下院議員(民主党、ミシガン州)が8月27日に共同提出していた。
法案は商務長官に対し、米国で乗用車を製造、組み立て、輸入する事業者による「対象活動(covered activity)」を調査し、「敵対国(foreign adversary)」が米国の安全保障、経済的競争力、または知的財産保護に及ぼすリスクを評価するよう求めている。また同法の制定から2年以内に議会に調査結果を提出し、企業の機密情報などを除く情報を公開するよう定めている。「対象活動」とは、自動車や対象となるハードウエアまたはソフトウエアの製造に関連する資本提携や業務提携、技術提携、投資といった商業的な取り決めまたは契約のうち、少なくとも一方の当事者が「敵対国」、または「敵対国に支配される製造業者」であるものを指す。この場合の敵対国とは北朝鮮、中国、ロシア、イランの4カ国と定義している(注)。
法案提出の背景には、中国による米自動車産業への関与拡大に対する警戒がある。ハーシュバーガー議員は、中国が国家補助金を背景に自動車産業での存在感を拡大していると指摘。自動車のコネクテッド化やソフトウエア化が進む中、経済面だけでなく国家安全保障やデータ面でのリスクもあるとして、米自動車産業への中国の関与の実態を把握する必要性を訴えている。
議会では、敵対国に関連するコネクテッド車などの輸入、製造、販売などを禁止する「コネクテッドビークル安全保障法案(Connected Vehicle Security Act of 2026)」も審議されている(2026年7月27日記事参照)。上院での法案(S.4429)は7月に上院商務・科学・運輸委員会が承認し、9月22日に修正案とともに上院本会議に報告された。同法案がコネクテッド車などを対象とする具体的な禁止措置を定める一方、今回の下院のH.R.10158は、敵対国と米自動車産業との資本、事業、技術面などでの関係を幅広く調査する内容となっている。
(注)合衆国法典第10編第4872条(f)項
において定められた国を指す。
(大原典子)
(米国、北朝鮮、中国、ロシア、イラン)
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