米ゼネラルモーターズ、ロッキード向けミサイル部品を納入
(米国)
ニューヨーク発
2026年09月28日
米国自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)の防衛部門GMディフェンス(本社:ノースカロライナ州)は、米航空宇宙大手ロッキード・マーティン(本社:メリーランド州)向けに、地対空迎撃ミサイル「PAC-3 MSE」の部品(注1)を生産し、8月28日に初回納入した。ロッキード・マーティンが9月17日に発表
した。
GMディフェンスは、8月6日にロッキード・マーティンと正式契約を締結してから、22日間で初回納入を実現した。GMが持つ高度な鋳造・機械加工技術を活用し、防衛分野で求められる仕様に対応した。ロッキード・マーティンによると、こうした部品の生産には従来、数カ月から数年を要する場合があり、22日間での納入は「異例」の早さだとしている。
両社は6月、米国での製造と防衛産業基盤の強化に向けた提携を発表していた(2026年6月19日記事参照)。今回の部品供給は、同提携に基づく具体的な取り組みとなる。GMディフェンスのスティーブ・デュモント社長兼最高経営責任者(CEO)は、今回の協業について「国家の安全保障と、それを守る人々を支援するために、(GMで培った)強みを発揮できることを楽しみにしている」と述べた。両社は今後、商用分野の製造手法をほかの弾薬プログラムにも応用し、将来の防衛システム向けに協力体制を拡大する方針だ。
迅速な装備品の生産・調達は喫緊の課題
米国空軍・宇宙軍協会(AFA)が9月14~16日にメリーランド州ナショナルハーバーで開催した「航空宇宙サイバーカンフェレンス2026
」では、空軍における航空機不足を背景に、迅速な生産・調達の実現が喫緊の課題であるとの認識が共有された。こうした中、空軍のトロイ・メインク長官は、長期的で安定した国家予算の確保が、企業による設備投資と生産能力拡大の前提になると指摘した(注2)。また、空軍の調達当局幹部は、敵の戦術や電子戦の状況などが絶えず変化する中、「完成度100%の装備が手遅れになってから届くより、完成度85%でも直ちに現場へ投入する方がはるかに望ましい」(注3)と述べた。
(注1)ロッキード・マーティンによると、筐体(きょうたい、ハウジング)部品で、具体的な部位は明らかにされていない。
(注2)9月14日「基調講演:航空・宇宙における戦闘力の向上」会場での筆者聞き取り。
(注3)9月15日「パネルディスカッション:次世代戦闘管理」会場での筆者聞き取り。
(大原典子)
(米国)
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