米ゼネラルモーターズ、防衛産業基盤強化に向け、ロッキード・マーティンとの提携を発表
(米国)
ニューヨーク発
2026年06月19日
米国自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)子会社で軍事車両などの防衛関連事業を展開するGMディフェンス(本社:ノースカロライナ州、注1)と米航空・宇宙製造大手のロッキード・マーティン(同:メリーランド州)は6月16日、米戦争省(国防総省)の支援のもと、米国における製造および防衛産業基盤の強化を目的とした提携を発表
した。防衛分野におけるロッキード・マーティンの専門性と、GMの量産技術を組み合わせることで、防衛装備の生産能力拡大とスピードアップを図る。
両社は覚書(MOU)に基づき、(1)防衛サプライチェーンの強化、(2)製造・設計能力の高度化、(3)商用分野の製造ノウハウやインフラを活用した生産能力拡大に向けた検討、の3分野に重点を置く。初期段階の取り組みとしては、生産体制の立ち上げ加速に向けた方策の検討や、商用分野で実績のある製造技術や手法を防衛分野の生産プロセスに適用すること、などが含まれる。ただし、提携内容の詳細は明らかにされていない。
トランプ政権は、ウクライナやイランをめぐる紛争により、ミサイルやその他の重要兵器の在庫が減少している中、米国内での増産体制を整えるため、GMを含む武器メーカー以外の製造業者へもアプローチしている(「ブルームバーグ」6月16日)。
GMディフェンスのスティーブ・デュモント社長は「ロッキードが協力することで、航空宇宙および防衛分野におけるスピード、効率性、イノベーションを推進し、米国の製造業と国防をさらに強化していく。今後数週間のうちに、共同で取り組む初期プロジェクトの特定を進めていく予定だ」と意気込みを見せた。
一方のロッキード・マーティンは2030年までに90億ドルを投じ、同社の施設や供給拠点20カ所の近代化を進める計画だ(「CNBC」6月16日)。
同社のフランク・セント・ジョン最高執行責任者(COO)は「米国の安全保障は、先進技術の開発のみならず、それを迅速かつ確実に大規模生産できる能力にもかかっている」と述べ、今回の協業による相乗効果に期待を示した。
(注1)2017年に再設立されたGMの100%子会社。モビリティー技術を生かし、軍事車両などを製造する。最近では2026年3月に米陸軍省から、歩兵分隊用車両(ISV、注2)121台を含む1,881万2,579ドル(契約総額は4億5,844万ドル)、6月に1億4,298万5,392ドル分の確定固定価格契約
(あらかじめ合意した固定価格で商品やサービスを提供する、米国の政府調達における契約形態の1つ)を受注した。これらによりISVを含む政府からの累計受注金額は6億2,376万9,043ドルに達している。
(注2)Infantry Squad Vehicleの略
。困難な地形での移動を目的として設計された軽量戦術輸送プラットフォーム。GMによると、同社のISVはシボレーのピックアップトラック「コロラド」のオフロードモデル「ZR2」をベースとし、市販の既製部品を90%活用しているため、大規模生産にも対応可能だ。
(大原典子)
(米国)
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