欧州復興開発銀行(EBRD)、イラク民間銀行に最大2,500万ドルの貿易金融枠提供
(イラク、欧州)
ドバイ発
2026年09月25日
欧州復興開発銀行(EBRD)は9月16日、イラクの民間銀行のバグダッド銀行(Bank of Baghdad)に、貿易円滑化プログラム(TFP)を通じ最大2,500万ドル(約2,130万ユーロ)の貿易金融枠を提供すると発表した。バグダッド銀行の輸出入取引と海外コルレス銀行との関係拡大を支援する。バグダッド銀行も翌17日、同行のサイトで案件を公表した。EU資金で同行向けの専用研修カリキュラムも整備する。
TFPでは、参加銀行が手掛ける貿易取引について、EBRDが海外の確認銀行に対して政治・商業上の支払いリスクを保証するほか、短期資金も供給する。現地銀行は顧客企業の信用リスクを負う。EBRDは2025年12月、民間銀行のイラク・ナショナル銀行(NBI)に最大1億ドル、2026年8月には民間銀行のアル・マンスール銀行(MBI)に最大7,500万ドルの同様の枠を設定しており、これに今回、バグダッド銀行への支援が加わった。
イラク中央銀行(CBI)は2025年1月、従来の電子プラットフォーム経由の対外送金から、国内銀行が海外コルレス銀行を通じて処理する仕組みへの移行が2024年末に完了したと発表した(2023年10月6日記事参照)。IMFも2025年5月の対イラク4条協議ミッション終了声明で、新たな貿易金融制度への移行を評価し、貿易金融は商業銀行のコルレス銀行関係を通じて全面的に処理されているとした。
ただし、EBRDが公表した1億ドル、7,500万ドル、2,500万ドルの貿易金融枠はいずれも利用上限で、融資や保証の実行額ではない。EBRD公表資料では、個別企業、取引額、初回保証・短期融資の実行実績は示されていない。イラク向け輸出では、現地買い手がTFP参加銀行を利用する場合、信用状(L/C)などの貿易金融で国際確認銀行を介した信用補完を利用できる余地が広がる可能性がある一方、実際の利用可否は現地銀行の顧客与信や確認銀行の受け入れなど個別取引の条件に左右される。
(大野晃三、オマール・アル・シャメリ)
(イラク、欧州)
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