河套香港園区、企業・機関の入居契約100件超に、ITIBが発表

(香港)

香港発

2026年09月25日

香港のイノベーション・テクノロジー・工業局(ITIB)の蔡傑銘(ケビン・チョイ)常任秘書官は9月8日、北部都会区をテーマとしたフォーラムにおいて、同区内の河套深港(深セン・香港)科学技術イノベーション協力区(注1)の開発状況について講演し、入居契約を締結したテクノロジー企業と機関の数が現在100を超えていると発表した。

蔡常任秘書官によると、竣工(しゅんこう)済みのウェットラボ(注2)2棟は既に満室となっており、近く完成予定の1号ビルも延べ床面積の約8割について事前賃貸契約が締結された。入居企業は中国本土の大手企業やグローバルに活動している製薬会社のほか、中国本土・香港・海外のスタートアップ企業など多岐にわたり、現在約2,000人の研究者が勤務している。残るビル4棟の建設も2026年内に完成する見込みで、賃貸募集を既に開始した。

同講演では、香港園区の戦略的価値についても言及された。園区は上流・中流の研究開発(R&D)とパイロット生産拠点に特化する一方、隣接する新田科技城が下流の量産と産業化を担う。これにより、「河套で研究開発、新田で産業化」という分業体制を構築し、研究開発から生産への移行を加速する。さらに、香港の研究開発成果が河套香港園区を通じて、深セン市や広東省・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)各都市の製造力と連結し、「香港で研究開発、粤港澳大湾区で製造、グローバルで販売」という産業チェーンを構築する方針を示した。

蔡常任秘書官は香港園区の開発進展について、香港が従来の国際金融センターから「南金融、北創科(注3)」という新たな産業構造へ移行しつつあることを示すものだと評価した。

(注1)深セン市政府と香港政府が共同で整備、開発を進めているイノベーション・テクノロジー拠点。香港園区と深セン園区の2つの園区で構成される。河套は、同拠点が立地する香港北部の落馬洲の地名が固有名詞の一部となったもの。

(注2)特定の装置や薬品を用いて物理・化学の実験を行うための研究施設。

(注3)香港の南部が国際金融センターとしての役割を果たす一方、北部を国際イノベーション・テクノロジーハブとして開発を促進する取り組み。

〔黄莃倫(ケリー・ウォン)〕

(香港)

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