米税関、サプライチェーン可視化に向け、輸入情報開示要件に関するパブリックコメント募集

(米国)

ニューヨーク発

2026年09月03日

米国税関・国境警備局(CBP)は9月2日、米国に輸入される製品のサプライチェーンを可視化する制度構築のため、パブリックコメントを募集する規則策定案事前公告(ANPRM)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公示した。米国の関税法や通商法の適用を回避するために行われる、「違法な積み替え」などの不正行為を、効果的に検知、阻止することを目指す。

ドナルド・トランプ大統領は6月3日、税関執行を強化する大統領令を発表し、CBPを所管する国土安全保障省(DHS)長官に対して、記録輸入者(IOR、注1)に対する要件の厳格化、輸入における情報開示要件の確立、CBPからの情報提供要請に協力しない場合の罰則強化などを指示していた(2026年6月5日記事参照)。

今回のANPRMでは、これら大統領令での指示のうち、「輸入における情報開示要件の確立」を実行する。具体的には、「外国輸出書類の提出要件の範囲」「国家安全保障に関する考慮事項」「製造者識別コード(MID、注2)」「グローバル・ビジネスID(GBI、注3)」「革新的なサプライチェーン追跡ソリューション」「テロ対策税関貿易パートナーシップ(CTPAT、注4)の要件とメリットの拡大」の観点からパブリックコメントを募集する。なお、CBPが将来的に提出を求める可能性のある「外国輸出書類」については、ANPRMで次を例示している。

  • 外国の輸出業者が外国の税関に対して提出した、申告価格、品目分類、数量などが記載されている輸出申告書
  • 外国の税関に申告した取引価額を示す商業インボイス
  • 出荷品の内容、重量、梱包(こんぽう)を確認するためのパッキングリスト
  • 貨物の原産地を立証するために提出された原産地証明書
  • 規制対象、制限対象、または軍民両用品目の輸出に必要な輸出許可証(ライセンス)
  • 船荷証券や航空貨物運送状などの輸送書類

パブリックコメントは、連邦政府のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(案件番号:USCBP-2026-1058)から提出可能で、締め切りは12月1日となっている。

トランプ政権は、複数の追加関税措置を実行しつつ、関税を不当に回避する「違法な積み替え」への対策を強化している。2025年8月には、省庁横断の貿易詐欺対策タスクフォースを立ち上げたほか、2027会計年度(2026年10月~2027年9月)の予算教書では、商務省の予算を全体的に削減する方針を掲げる中で、貿易上の不正行為に対処するため、国際貿易局(ITA)については予算増を要求している(2026年4月7日記事参照)。

(注1)輸入品が、通関および法的要件を順守していることに責任を負う当事者。物品の輸入者または通関業者がこれに当たる。

(注2)商品の製造者とその所在地を識別するコード。詳しくはジェトロの貿易投資相談ウェブサイト参照

(注3)企業・事業所を識別するコード。詳しくはCBPのウェブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照。

(注4)2001年の同時多発テロを受けて導入された官民共同のプログラムで、米国向け貨物のサプライチェーンのセキュリティー強化と貿易円滑化の両立を目的とする。CTPATは「セキュリティー」と「貿易法令順守」の2つのプログラムで構成しており、貿易法令順守プログラムの認定事業者は、セキュリティープログラムに参加している場合の便益に加えて、CBPの事前教示制度の裁定迅速化などの便宜を享受できる(2022年11月25日記事参照)。

(赤平大寿)

(米国)

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