英政府、重要鉱物戦略資金提供プログラムを発表
(英国)
ロンドン発
2026年07月07日
英国政府は6月22日、重要鉱物の確保に向けた資金提供プログラムを発表
した。2025年11月に公表された重要鉱物戦略(2025年12月3日記事参照)で言及された鉱物関連プロジェクトへの支援の具体策で、次の3つの柱を通じて実施される。
- マグネット・ハブ:2,000万ポンド(約42億6,000万円、1ポンド=約213円)を投じ、希土類磁石の製造技術の開発、試験、量産化を行う国立施設の設立と、技能育成および研修体制の整備を行う。助成金は、2段階の申請プロセスを経て、単一の主たる申請者に交付する。6月29日の週から2週間にわたる関心表明の受け付けを開始し、夏にかけて正式な申請を受け付け、選定された申請者には秋に交付する見込み。実施期間は2030年3月まで。
- 重要鉱物アクセラレーター:2,500万ポンドを投じ、重要鉱物の採掘、加工、リサイクルを支援し、イノベーションと商業化の機会を加速させる。また地域の成長と雇用創出を促進する。助成金は、2段階の申請プロセスを経て、複数の団体やプロジェクトに交付する。7月に第1回の申請を開始する見込みで、第2回の申請は2027年を予定。実施期間は2030年3月まで。
- 需要集約プラットフォーム:最大500万ポンドを投じ、新たなプラットフォームを立ち上げ、国内の異なる産業分野の重要鉱物の需要を集約する。産業界主導の戦略的パートナーシップを促進するとともに、公的資金を有効活用して民間投資を活性化させる。2026年秋に入札公告を予定している。
政府によると、重要鉱物は地政学的な緊張や混乱の影響を受けやすく、世界的にサプライチェーンの集中化が進み、英国はごく少数の海外の供給業者に依存してきた。重要鉱物戦略は、自給率向上とサプライチェーン強化を支援するとともに、最先端の技術への投資や、英国への民間投資の誘致を推進するとしている。
政府は、産業政策の基盤となる「産業戦略」の中で先端製造業や防衛産業といった「成長産業」を支える基礎産業(Foundational Industries)として重要鉱物を位置付けており、支援の対象としている(2025年6月25日記事、2026年3月13日付地域・分析レポート参照)。
(野崎麻由美)
(英国)
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