トランプ政権下で関税回避などの取り締まりが10億ドル超え、米司法省が実績強調

(米国)

調査部米州課

2026年07月17日

米国司法省は7月14日、貿易詐欺対策タスクフォース(TFTF)が企業などから徴収した罰金などの合計が10億ドルを超えたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。TFTFが2025年8月に発足して以降、1年弱の期間に米国政府が科した民事・刑事罰や事業者から回収した損失額の実績を示し、貿易詐欺の取り締まりに注力する姿勢を強調した。

TFTFは、不当な関税回避などの取り締まりを強化するためにトランプ政権が立ち上げた省庁横断の組織だ。司法省や国土安全保障省傘下の米国税関・国境警備局(CBP)などが参加する。迂回輸出のほか、輸入品の課税評価額や関税分類の虚偽申告などもTFTFによる調査や起訴の対象となる。

司法省は発表で、TFTFの取り締まりはサプライチェーン全体に及ぶと指摘した。商品が違法に輸入されたと知りながら取引に関与した場合、輸入者だけでなく通関業者や流通業者、商品の最終使用者も罰則を科される可能性があると説明した。違反者に対しては、刑事訴追や虚偽請求取締法(FCA)に基づく民事訴訟を検討するとした。FCAは、関税を含む米国政府への金銭の支払いを回避するために故意に虚偽情報を提出することなどを禁止している(2026年1月14日付地域・分析レポート参照)。

司法省は、1974年通商法301条に基づく関税やアンチダンピング関税(AD)、補助金相殺関税(CVD)の不正回避を優先的な取り締まり対象として挙げた。サプライチェーンにおける強制労働の根絶や、公衆衛生と安全を脅かす物品の輸入者の起訴にも注力するとした。司法省は発表と同日、イリノイ州北部地区連邦検察局(NDIL)が、原産国を偽って宝飾品を輸入した複数の企業幹部らを起訴したと明らかにした。

司法省は、貿易詐欺に関する企業向けの参考資料外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも公表した。貿易詐欺を取り締まるための米国の法規制や代表的な貿易詐欺の手口などをまとめている。トランプ政権はこれまでも貿易詐欺に対する執行を強化する方針を度々示してきた(2026年2月26日記事参照)。ドナルド・トランプ大統領は6月、税関執行の強化を指示する大統領令を発表している(2026年6月5日記事参照)。

(甲斐野裕之)

(米国)

ビジネス短信 bb74214c2ccbb107