情勢悪化を受けホルムズ海峡通航数が再び減少、通航関連料金に関し各国・機関の見解・主張は異なる
(中東、米国、イラン、オマーン、アラブ首長国連邦、日本)
調査部中東アフリカ課
2026年07月15日
湾岸協力会議(GCC)事務局は7月14日付発表
で、アラブ首長国連邦(UAE)所属のタンカー2隻を標的にしたイラン側からの攻撃を非難し、国際法と航行の自由の原則に対する違反であると強調した。英国海事機関(UKMTO)は7月14日付の通告
において、ホルムズ海峡周辺での船舶への攻撃事案発生とそれに伴う注意喚起を発信している。情勢悪化を受け、海峡の通航隻数が再び減少したほか、原油価格は上昇した。
IMFの船舶自動認識装置(AIS)情報を基に船舶データを提供する「ポートウオッチ
」によると、7月6日から12日までの1週間のホルムズ海峡の通航隻数の平均は1日当たり16.4隻で、前週(6月29日から7月5日)平均の29.3隻から減少した。
米国とイランの覚書の署名(2026年6月19日記事参照)を受け、6月下旬から7月初旬の海峡の通航数は5月平均の1日当たり6.5隻、6月平均の15.7隻と比べ増加していたが、攻撃の応酬の再発により、再び通航数は減少したかたちだ。2025年の平均の1日当たり91.5隻からは激減となっている。同データは船舶がAISを切って通航した場合や通信障害などで計上されない場合もある。
なお、日本の金子恭之国土交通相は7月10日の記者会見
において、7月7日から9日にかけてタンカーを含む日本関係船舶22隻がホルムズ海峡を通過したと発表した。
ホルムズ海峡の通航関連料金に関しては各国・機関が異なった主張、見解を示している。
米国のドナルド・トランプ大統領は7月13日、ホルムズ海峡は開放され続けるが、イラン船舶やイラン顧客に限定した海上封鎖を再開するとし、さらに、米国がホルムズ海峡の安全確保を担うことを理由に海峡を通航する全ての貨物に対し貨物価格の20%の負担金を課す考えを示していた(2026年7月14日記事参照)。しかし、米国は翌14日、湾岸諸国との貿易・投資協定で代替するとし、通航の負担金を事実上撤回する表明を出した。
一方、イランも海峡通航に関するサービス料を徴収するとの考えを13日に改めて表明していたが、米国はこれに対して否定的だった。
また、国際海事機関(IMO)は、40の理事国により、7月6日から10日に開催された第137回理事会において、ホルムズ海峡通航は国際法に従い、いかなる通航料も手数料も課されないままであることを再確認したという(7月13日付国土交通省発表
、7月13日付IMO発表
)。
ホルムズ海峡南側の沿岸国のオマーンの外務省は、7月14日付発表
にて、オマーンが国際法を完全に順守しつつ、海峡における航行の自由を回復するため、全ての関係者と透明性のある中立的な協力を継続していくと表明した。
中東情勢は不透明であり、最新動向は「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」、物流動向は「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」を参照。
(井澤壌士)
(中東、米国、イラン、オマーン、アラブ首長国連邦、日本)
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