中央アジアへの対内直接投資は前年比12.1%増加、UNCTAD報告

(ウズベキスタン、カザフスタン、中央アジア)

タシケント発

2026年07月16日

国連貿易開発会議(UNCTAD)は7月7日、「世界貿易報告2026」を公表した(2026年7月10日記事参照)。2025年の中央アジア地域への対内直接投資(FDI)額(国際収支ベース、ネット、フロー)は前年比12.1%増加し、49億6,700万ドルに達した。世界全体の増加率の6.0%を上回る伸びとなった。

同地域でFDIが最も大きかったのは43億9,800万ドルのウズベキスタンで、地域全体の88.5%を占めた。2024年の29億7,500万ドルから47.8%増加した。報告では好調な投資の背景として、中国およびサウジアラビアから再生可能エネルギー分野への大規模投資を指摘した(2025年12月17日記事2026年3月18日付地域・分析レポート参照)。ウズベキスタン中央銀行はFDIの増加について、事業を展開する外国投資家による現地での収益の再投資が大幅に増加したことを理由の1つに挙げていた。2025年の再投資額は12億8,770万ドルに達し、データの確認できる2005年以降、過去最高額となった。

カザフスタンでは8億6,100万ドルのFDI流出が記録された。その要因についてカザフスタンの大手投資会社ハルクファイナンスのレポート(4月20日)は、テンギス油田拡張事業など大型石油プロジェクトの完了に加え、外国投資家が投資回収・利益送金の段階へ移行したと分析している。同社によると、2025年の原油・天然ガス採掘部門からのFDI流出額が63億ドルに上った。一方でUNCTADによると、2025年末時点の中央アジア全体のFDI残高2,356億ドルのうちカザフスタンは66.4%(1,564億ドル)を占め、依然としてFDI残高では地域で首位に立つ。

UNCTADの報告書では、国際的に製造拠点が分散する傾向の中で、カザフスタンがエジプトと並び存在感を高めていると指摘する。特に2021年から2025年にかけてカザフスタンが中国企業の製造・物流拠点としての地位を強化したと指摘。中国企業による対外グリーンフィールド投資総額の33%を受け入れ、インドネシアを上回った。代表的な案件として、2025年に中国の東方希望集団が発表したカザフスタン非鉄金属部門への120億ドル投資計画を挙げている。

報告書は、中央アジア地域におけるFDI誘致の主要な牽引役は引き続き資源部門(金属関連)であると分析する。一方でカザフスタンが2025年12月に採択した投資政策では、2030年までの1,000億ドルのFDI誘致に向け、資源依存型の経済モデルから非資源部門へと移行を目指している。

(ウラジミル・スタノフォフ)

(ウズベキスタン、カザフスタン、中央アジア)

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