ウズベキスタンで42の新エネルギー施設の稼働・建設が開始
(ウズベキスタン)
タシケント発
2025年12月17日
ウズベキスタンの首都タシケントにおいて12月5日、総額110億ドルで合計42の新エネルギープロジェクトの稼働および着工式典が行われた。2030年までに、総発電量に占めるグリーンエネルギーの割合を54%(2025年中に30%到達見込み)に引き上げる目標の達成に弾みをつける。
式典には、シャフカト・ミルジヨエフ大統領に加え、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコ、アゼルバイジャン、キルギスのエネルギー相、および世界銀行、欧州復興開発銀行(EBRD)、アジア開発銀行(ADB)、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、イスラム開発銀行(IsDB)、そのほか主要なエネルギー企業の代表者が参加した。
本式典により、複数のプロジェクトが始動する。サウジアラビアのACWAパワーは、出力752メガワット(MW)の4つの風力発電所を稼働させ、送電網に接続した。ACWAパワーが建設を開始した5つの新規発電所の出力は2.3ギガワット(GW)(太陽光1GW、風力1.3GW)で、この中には、総出力1GW、エネルギー貯蔵システム容量1,336メガワット時(MWh)、総事業費18億ドルの太陽光発電所「サザガン・ソーラー1」および「サザガン・ソーラー2」が含まれている。
UAEのマスダールは、出力63MW、容量126MWhのバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)を備えた統合型太陽光発電所「ヌル・ブハラ」(出力250MW)を稼働させ、で75MWhの蓄電機能を備えたグザール太陽光発電所(出力300MW)の建設を開始した。
そのほか、ナマンガン州では中国能源建設による200MW発電所プロジェクトの起工式が行われた。加えて、シーメンス・エナジー(ドイツ)、EDF(フランス)、ストーンシティ・エナジー(オランダ)、ネブラス・パワー(カタール)とのPPP契約に基づき、12億ユーロを投じてアンゴル火力発電所の第2期建設に着工した。
ウズベキスタン・エネルギー省によると、同国で稼働する太陽光発電所と風力発電所の総出力は1年前に3,500MWだったところ、2025年12月8日時点で5,582MWに上る。
ウズベキスタン政府は、国内エネルギーの不足(2023年1月19日記事、2023年5月10日記事参照)や環境問題対応から、諸外国との協力でグリーンエネルギー導入を推進している(2025年5月8日付地域・分析レポート参照)。2024年12月には、2030年までに総発電量に占めるグリーンエネルギーの割合の目標を従来の40%から54%に引き上げた(2024年12月23日記事参照)。総発電量に占めるグリーンエネルギーの割合は、2025年末までに30%に達する見込み。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(ウズベキスタン)
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