米AI輸出プログラムに78件の申請、商務省が発表

(米国)

ニューヨーク発

2026年07月10日

米商務省国際貿易局(ITA)は7月6日、米国人工知能(AI)輸出プログラムに78件の申請があったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。米国は同プログラムを通じて、米国主導の国際的なAIエコシステムの創出を目指している。

ドナルド・トランプ大統領は就任直後の2025年1月にAIなどの規制緩和に関する大統領令を、同年7月にAI行動計画と米国製AI技術の輸出を促進するための大統領令を発表した。これを受け、ITAは2025年10月に、米国AI輸出プログラムの開始を発表した。同プログラムは、計算インフラからアプリケーションに至るまでバリューチェーン全体に、米国の技術を活用した輸出可能なエンドツーエンドのAIシステム(注1)の構築・促進を目的としている。ITAは対象となる案件を、2026年4月1日~6月30日で募集していた(2026年4月3日記事参照)。

ITAは今後、78件の申請について、米国製AI技術の輸出促進を定めた大統領令の政策目的に沿う案件であるかに加え、輸出管理、最終用途・最終利用者、サイバーセキュリティーなどの観点から国家安全保障上のリスク軽減措置が講じられているかを審査する。その後、省庁間の協議を経て、商務長官が採択案件を最終決定する。募集開始時の発表によれば、申請書に不備がないことを確認後、60日以内に採否を決定する。採択案件には、米国政府の公式活動やイベントを通じたプロモーション、輸出許可申請の優先処理、連邦政府の資金調達手段への円滑なアクセスなどの支援が提供される。

トランプ政権は「国家安全保障戦略(NSS)」において、経済安全保障を国家安全保障の基盤とし、産業育成を経済政策の最優先課題に位置付け、AIなどの先端技術分野で世界を牽引することが「米国の核心的かつ重大な国益」「最優先で注力すべき利益」としている。米国の経済安全保障政策の中で、希土類(レアアース)などの重要鉱物の供給多様化が「守り」の政策だとすれば(2026年3月31日記事参照)、米国主導の国際的なAIエコシステムの創出は「攻め」の政策に位置付けられる(注2)。今後、どのような案件が採択されるのかが注目される。

(注1)データの取得から学習、モデルの構築、統合、実行までを一気通貫で設計・運用するもの。

(注2)トランプ政権下の経済安全保障政策の詳細については、2026年2月6日付地域・分析レポート参照

(赤平大寿)

(米国)

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