米商務省、ボッシュのSiC半導体製造に2億2,500万ドルの助成を発表
(米国)
ニューヨーク発
2026年07月16日
米国商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST)は7月13日、同省CHIPSプログラム局が、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、ドイツに本社を置く自動車部品・電動工具メーカー、ボッシュの米国子会社であるロバート・ボッシュ・セミコンダクターに対して、最大2億2,500万ドルを助成する直接資金提供契約を結んだと発表
した。ボッシュと商務省は、バイデン前政権下の2024年12月に予備的覚書(PMT)を結んでいた(2024年12月19日記事参照)。
ボッシュは20億ドルを投じ、カリフォルニア州ローズビルにある既存の製造施設を、最先端の炭化ケイ素(SiC)半導体製造施設へ転換する計画を進めていた。今回の助成金は、SiC半導体生産のための新たなクリーンルームスペースおよび先進的な製造ラインの開発に活用される。商務省によると、試作はすでに開始しており、2026年内に量産開始の予定だ。ローズビル工場は、同社にとって米国初の半導体生産拠点となる。今回の助成金交付に伴い、ボッシュは今後5年間で米国に75億ドルを投資する。
ボッシュも同日プレスリリース
を発表し、ボッシュ北米法人社長のポール・トーマス氏は、「当社は、グローバル事業ポートフォリオにおける北米、特に米国が占める割合を高めるため、米国での成長と投資に注力している」と述べた。同社によれば、SiC半導体は、高電圧、高温、高速スイッチングをより効率的に処理できるため、バッテリー式電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の航続距離の延伸や充電効率の向上に貢献する。さらに、高効率で高出力の電力変換を、発熱を抑えつつ実現できる上、部品の小型化を可能にするため、データセンターのエネルギー消費効率化などにも活用できる可能性があるという。米国では現在、人工知能(AI)向けデータセンターの需要急増に伴う、電力不足が大きな社会課題の1つになっている(2026年7月2日記事参照)。
CHIPSプラス法はバイデン前政権下で成立した法律だが、トランプ政権下でも同法に基づく助成が相次いでいる。2026年6月には今回のケースと同様、バイデン前政権下でPMTを結んでいた光半導体メーカーのコヒレントに対し、最大5,000万ドルを助成すると発表した(2026年6月19日記事参照)。2025年9月以降は、米国のマイクロエレクトロニクス技術を前進させる先端半導体やAI、量子技術などの研究開発プロジェクトを募集しており、これまでに11社への助成を発表している(2026年6月30日記事参照)。トランプ政権は、半導体など経済安全保障で重要となる戦略分野では、補助金を活用して米国内の産業基盤の強化に努めている。
(赤平大寿)
(米国)
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