米商務省、CHIPSプラス法に基づき、次世代パワー半導体の研究開発支援でI-Pulseに2億5,000万ドル助成

(米国)

ニューヨーク発

2026年06月30日

米国商務省は6月25日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、I-Pulseに対し、2億5,000万ドルを助成すると発表した。今回の助成を通じて、次世代の炭化ケイ素(SiC)パワー半導体分野において、米国の技術的リーダーシップとイノベーションを推進するための研究開発を加速させる。

I-Pulseは2007年に、鉱業や製造業などさまざまな産業分野におけるパルス電力技術(注)の活用を目的に設立された企業だ。商務省の発表によれば、同社は連邦政府が運営する研究機関や大学などと提携し、高温・大電流・高電圧に対応する新たなSiC半導体の開発を進める。SiC半導体ベースのスイッチデバイスを組み込んだパルス電力ドリルを用いることで、地熱開発や重要鉱物の掘削作業を従来よりも効率的かつ低コストで実施できるとされる。

I-Pulseはプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「掘削コストを大幅に削減することで、米国に広がる広大な高温乾燥花こう岩地層で先進的な地熱発電を実現できる」と述べるとともに、「増加し続けるデータセンターや米国内の産業活動にとって、24時間365日稼働するベースロード電源として、安全かつ低コストな電力を供給する先進的な地熱発電は今まさに求められている」と、同社の技術を活用した地熱発電の重要性を強調した。

なお、商務省は今回の助成にあたり、支配権を伴わない少数株主として株式を取得した。

トランプ政権は2025年9月に、米国のマイクロエレクトロニクス技術を前進させる先端半導体や人工知能(AI)、量子技術などの研究開発プロジェクトの募集を開始しており(2025年9月30日記事参照)、今回の助成はこれに基づくもの。同制度の下、2026年5月には量子コンピューティングに関係する米国内企業9社に対し総額20億1,300万ドルを、6月にはAIや量子暗号技術によるソリューションを扱うスタートアップのサンドボックスAQに5億ドルを助成すると発表していた(2026年6月19日記事参照)。プロジェクトの申請は2029年9月30日まで受け付けている。

(注)電気エネルギーを長時間かけて蓄積し、極めて短時間に一気に放出することで、瞬間的に巨大な電力を生み出す技術。

(赤平大寿)

(米国)

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