米商務省、コヒレントの光半導体生産拡張に最大5,000万ドル支援へ

(米国)

ヒューストン発

2026年06月19日

米国商務省は6月16日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、光半導体メーカーのコヒレントに対し、最大5,000万ドルの直接補助を行う意向表明書(Letter of Intent、LOI)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。対象は、コヒレント(Coherent、本社:ペンシルベニア州サクソンバーグ)がテキサス州シャーマンに保有するインジウムリン(InP)半導体製造拠点で、同施設は、150ミリメートル(mm)InP量産ラインとして世界最大級の規模とされる。同社案件を巡っては、2024年12月に商務省との間で最大3,300万ドルの支援を想定した予備的合意(PMT)が締結されていた(2024年12月19日記事参照)。今回のLOIはそれに続く段階に位置付けられ、資金供与に向けた検討がより具体化したかたちとなる。

今回の支援は、人工知能(AI)データセンター向け光通信需要の拡大を背景に、先端製造装置の導入やクリーンルーム増設を通じて生産能力の拡大を図るものだ。InPフォトニクスは、AIシステム内でプロセッサー間のデータを高速にやり取りする光インターコネクトに不可欠であり、AIの拡大に伴うデータ移動のボトルネックを克服し、高性能・高効率化につながると期待されている。

CHIPSプラス法に基づく直接補助に関するLOIの発表同日には、GPU(画像処理装置)大手のエヌビディア(NVIDIA)とともに、コヒレントのシャーマン工場で拡張工事の起工式も行われ、連邦・州政府関係者らが参加した。本プロジェクトはエヌビディアとの協業と連動して進められており、同社のAIインフラ向け光通信部材の供給体制強化を狙う。両社は3月に光技術分野での戦略提携を発表しており、エヌビディアはコヒレントに対し約20億ドルを投資し、同社が米国内での製造能力を拡大する中で、研究開発、将来の生産能力、事業運営の強化を支援するとともに、複数年の調達契約を結んだ。

米国ではAI向け半導体投資が拡大する中、演算用GPUに加えてデータ伝送を担う光通信技術の重要性が急速に高まっている。今回の案件は、こうした「光半導体」分野の国内生産基盤を強化し、AIインフラおよび先端製造分野における米国の競争力確保を狙う動きとみられる。

(キリアン知佳)

(米国)

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