日本の5月の「原油および粗油」輸入量は前年同月比57.3%減、中東からの輸入量は61.9%減
(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、米国、日本、世界)
調査部中東アフリカ課
2026年06月26日
日本の財務省が6月26日に発表した2026年5月の貿易統計(輸出確報、輸入速報)
によると、日本の5月の「原油および粗油」の輸入量は前年同月比57.3%減少の473万キロリットル(kL)だった。このうち、中東(注1)から同品目の輸入量は前年同月比61.9%減少の397万kLだった。
2月末の米国とイスラエルのイランへの攻撃による中東情勢悪化に伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、中東との貿易は減少している(2026年6月24日記事参照)。なお、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)ではホルムズ海峡を通らない代替ルートがあるほか、オマーンとはペルシャ湾を通らず貿易が可能だ(2026年5月21日記事参照)。
日本の中東からの輸入額(全品目)は前年同月比42.7%減の5,153億円、中東への輸出額は32.0%減の2,026億円だった。
一方、半導体関連の貿易などが増加し、5月の日本の世界からの輸入額(全品目)では前年同月比12.5%増の9兆8,909億円、日本から世界向けの輸出額は16.8%増の9兆4,991億円となった。また、世界から揮発油の輸入量は13.7%減、液化天然ガスの輸入量は15.1%減にとどまった。
米国からの原油の輸入増加
5月の国別の「原油および粗油」の輸入量を見ると、UAEやサウジアラビアからは前年同月比で減少した。一方、米国からの輸入量が前年同月比24.0%増の58万kL、輸入額では同2.3倍となった。また、前年5月には輸入していなかったオマーン、ロシア、アゼルバイジャン、マレーシアから輸入した(一部の国は前年の他の月の輸入実績あり)。このため、同品目の中東依存度は前年5月の94.1%から、83.9%まで低下した。
5月の日本の「原油および粗油」の国別輸入量と前年同月比増減率は次のとおり。
- UAE:272万kL(前年同月比50.0%減)
- サウジアラビア:115万kL(72.0%減)
- 米国:58万kL(24.0%増)
- オマーン:9万kL(全増)
- ロシア:6万kL(全増)
- ブルネイ:5万kL(0.2%減)
- アゼルバイジャン:5万kL(全増)
- マレーシア:3万kL(全増)
なお、「中東情勢に関する関係閣僚会議(第10回)」の資料
によると、日本の6月分の原油輸入は米国などからの調達増加により、前年平月比(注2)8割相当、7月分は10割相当の調達のめどが立ったという。また、石油化学工業協会は5月の石油化学製品生産は前月から増加したと発表した(2026年6月22日記事参照)。
中東情勢と世界各国の動きは「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」、ホルムズ海峡や代替ルートなどの状況は「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」も参照。
(注1)財務省貿易統計での中東の定義は、イラン、イラク、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、ヨルダン川西岸とガザを含む。トルコは含まれない。
(注2)「前年同月比」とほぼ同義。季節変動が大きい品目などのデータ系列との比較で用いられることがある。
(井澤壌士)
(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、米国、日本、世界)
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