日本の5月の貿易額、中東からの輸入は前年同月比42.7%減、中東向け輸出は32.0%減
(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イラン、日本)
調査部中東アフリカ課
2026年06月24日
日本の財務省が6月17日に発表
した2026年5月の貿易統計(速報値)によると、日本の世界からの輸入額は前年同月比12.5%増の9兆8,902億円、世界向けの輸出額は17.0%増の9兆5,116億円だった。日本の中東(注1)からの輸入額は、42.7%減の5,153億円と大幅な減少をみせた。
中東情勢悪化に伴うホルムズ海峡の混乱を受け、カタール、クウェートからの輸入は急減した。一方、代替ルートがあるアラブ首長国連邦(UAE)からの輸入は前年同月比28.1%減、サウジアラビアからは44.7%減にとどまった。さらにホルムズ海峡を通らないオマーンからの輸入は9.4%増だった。
5月の中東主要国からの輸入額と前年同月比増減率は次のとおり。
- UAE:3,120億円、28.1%減
- サウジアラビア:1,576億円、44.7%減
- オマーン:215億円、9.4%増
- カタール:11億円、98.3%減
- イラン:1億3,900万円、66.0%減
- クウェート:8,700万円、99.9%減
中東からの輸入品目は、「原油および粗油」が輸入額のシェア86.5%と最多で4,458億円だったが、前年同月比37.3%減だった。中東からの輸入シェア2.6%の石油製品(主に揮発油)は85.3%減、シェア2.3%の液化天然ガスも67.9%減だった。
なお、「中東情勢に関する関係閣僚会議(第10回)」の資料
によると、日本の6月分の原油輸入は米国などからの調達増加により、前年平月比(注2)8割相当のめどが立ったという。また、石油化学工業協会は5月の石油化学製品生産は前月から増加したと発表した(2026年6月22日記事参照)。
中東向け自動車輸出額は7割減
ホルムズ海峡混乱の影響により、5月の日本から中東向け輸出額も前年同月比32.0%減の2,027億円と落ち込んだ。一方、サウジアラビア向けは同2.5%増とわずかに増加した。
5月の日本の中東主要国向け輸出額と前年同月比増減率は次のとおり。
- UAE:1,007億円、23.0%減
- サウジアラビア:527億円、2.5%増
- クウェート:97億円、65.4%減
- オマーン:65億円、58.4%減
- カタール:39億円、79.6%減
- イラン:6,300万円、89.7%減
輸出品目別にみると、5月の中東向け輸出額の品目別シェア24.9%を占める自動車は504億円で前年同月比70.0%減だった。なお、4月時点の90.8%減から減少幅は緩和した。シェア5.9%の原動機は25.6%増だったが、シェア3.6%の自動車の部分品が38.4%減、シェア2.5%の建設用・鉱山用機械が5.2%減、シェア2.4%の鉄鋼が55.8%減と落ち込んだ。
中東情勢は「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」、ホルムズ海峡や代替ルートの状況は「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」参照。
(注1)財務省貿易統計での中東の定義は、イラン、イラク、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、ヨルダン川西岸とガザを含む。トルコは含まない。
(注2)「前年同月比」とほぼ同義。季節変動が大きい品目などのデータ系列との比較で用いられることがある。
(井澤壌士)
(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イラン、日本)
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