米国で第2回「パックス・シリカ・サミット」開催、AIサプライチェーン安全性確保のための規制構築など連携へ

(米国、日本)

ニューヨーク発

2026年06月30日

米国国務省は6月25~26日、首都ワシントンで第2回「パックス・シリカ・サミット」を開催外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

パックス・シリカ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は2025年12月に米国国務省が立ち上げた、同盟・パートナー国の経済安全保障上の連携のための枠組み。人工知能(AI)の進化によって重要鉱物や関連インフラなどの需要が増加し、サプライチェーン再編が進むとの認識の下、敵対国への依存軽減や新技術の確保、機密度の高い技術の保護といった領域での連携を目標としている。

第2回サミット後の6月26日に国務省が発表したファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、枠組みに新たに10カ国・地域(注1)が正式に参加し、計24カ国・地域へと拡大した。そのほかの主な合意事項は次のとおり。

(1)「AIの機会に関する共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」への署名:共同声明はサミット期間中の6月25日に発表。AI関連のサプライチェーンの安全性を確保しつつ、同分野における成長やイノベーションを促進する規制を協力して構築するための取り組み。35カ国・地域(注2)が署名した。

(2)米国とスタンフォード大学による「ファウンドリー・スクール」イニシアチブの立ち上げ:同イニシアチブは「パックス・シリカ」加盟国の教育機関向けに提供する、人材育成のための取り組み。先端製造分野において経済的成長と国家安全保障の双方を支えるための教育を行うもので、技術者や政策立案者などを対象とする。

(3)パナマにおける「パックス・シリカ」AI支援パイロット・プロジェクトの発表:半導体や重要鉱物など、AIに関連する製品やインフラの出荷を迅速化するためのプラットフォームを開発するためのプロジェクト。今後、国務省がプロジェクトに関する資金提供のための公告をする予定。

トランプ政権は、「パックス・シリカ」などを通じて、AI、半導体、重要鉱物など、政権が重視する分野において同盟国らと協力し、調達先の多様化を通じたサプライチェーンの強靭(きょうじん)化を図っている(2026年2月6日付地域・分析レポート参照)。2026年3月には半導体サプライチェーンを支える重要鉱物の採掘・加工、重要インフラ、および製造設備向けの「パックス・シリカ(Pax Silica)基金」を設立すると発表した(2026年3月31日記事参照)。このほか、トランプ政権は同分野における米国内での研究開発強化や産業育成も図っている(注3)。

(注1)アルゼンチン、チリ、コスタリカ、エルサルバドル、EU、ドイツ、ギリシャ、カザフスタン、オランダ、パナマの10カ国・地域。これまでに参加している国は、日本、米国、オーストラリア、フィンランド、インド、イスラエル、ノルウェー、カタール、韓国、シンガポール、スウェーデン、フィリピン、アラブ首長国連邦(UAE)、英国の14カ国。別途、台湾は1月に、「パックス・シリカ宣言」および米台経済安全保障協力に関する共同声明を米国と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますして、同宣言の原則を支持している。

(注2)日本、米国、アルゼンチン、アルメニア、オーストラリア、バーレーン、チリ、コスタリカ、デンマーク、エルサルバドル、エストニア、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、インド、イスラエル、イタリア、カザフスタン、ラトビア、リトアニア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、パラグアイ、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、カタール、韓国、シンガポール、スウェーデン、トルコ、UAE、英国。

(注3)例えば、バイデン政権下で成立したCHIPSプラス法に基づく助成はトランプ政権でも継続されている(2026年6月19日記事参照)。

(滝本慎一郎)

(米国、日本)

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