ハノイ市が7月1日から低排出地域の試験運用開始、ガソリンバイクは段階的に規制

(ベトナム)

ハノイ発

2026年06月22日

ベトナムのハノイ市人民評議会は6月15日、環状道路1号線の低排出地域の計画を承認した。これにより、7月1日からハノイ市内で低排出地域の試験運用が開始されることとなった。

規制内容は、2025年7月の当初の方針(2025年8月13日記事参照)や同11月の低排出地域導入の決議(2025年12月3日記事参照)から大きく緩和され、化石燃料(ガソリン・軽油)を使用するバイク(以下、ガソリンバイク)の通行規制は段階的に導入する。当初の計画に対しては、日系企業を含む産業界なども見直しを要望していた。2026年の春時点で既に今回の決定内容に近い修正案が報道されていたが、市民生活や都市機能への影響を踏まえた調整や評議会の承認に時間を要し、正式決定が今回までずれ込んだ。

具体的には、3つの段階に分けて対象地域や規制内容を広げていく。

第1段階(7月1日~12月31日)では、ホアンキエム地区内で2つのエリアを設定して実施する(添付資料表参照)。エリア1(ホアンキエム湖の歩行者道路、ナイトマーケット周辺)では、毎週金曜~日曜の午後7時~午前0時まで、法定優先車両を除く全車両の通行を禁止する。エリア2(旧市街を含む、より広い地域が対象)では、16席以上の車両(バスおよび通勤・通学用を除く)やトラックの通行を時間帯によって制限する。

また、ガソリン車には環境対応車への転換、ガソリンバイクによるタクシーや配送サービスには活動の制限を奨励するなど、強制はしない措置をとる。

第2段階(2027年1月1日~12月31日)では、対象地域をホアンキエム地区とクアナム地区へ拡大する。ガソリンバイクによるタクシーや配送サービスを禁止し、3.5トン超のトラックなども通行禁止となる。

第3段階(2028年1月1日~2029年12月31日)では、対象地域を環状1号線(市内中心部を囲む全長15キロの道路)内に拡大する。ガソリンバイクによるタクシーや配送サービスに加え、排ガス基準レベル3(ユーロ3相当)未満の一般バイクの通行も禁止となる。

ベトナム日本商工会議所(JCCI)の吉田晋事務局長は、今回の計画導入に関し、「ステークホルダーの意見を聞いて検討を進めた点を評価する声はあるものの、ロードマップの具体性(第2段階以降の規制内容や運用方法など)には疑問が残る」と述べた。加えて、他の規制との整合性も明らかにしていく必要性があると指摘した(注)。

また、2028年から環状1号線内の渋滞緩和を目的に、通行料の徴収を計画するという報道もある(5月28日労働紙)。引き続き、7月1日以降の低排出ゾーンの実施や今後の規制動向などを注視する必要がある。

(注)具体的には、次の規制などが準備期間なく、不明点や法令間の矛盾が残ったまま実施されたことで影響や混乱が生じている。

  • ハノイ市が1月以降突如商用車の市内乗り入れを許認可制とした(01/2026/QD-UBNDおよび52/2026/QD-UBNDに基づく)ことで一部の物流および小売事業者の操業に影響。
  • 技術移転に関する政令(101/2026/ND-CP、3月31日公布、4月1日施行)によってユーロ3以下の一部の二輪車製品や補修部品などの生産に影響。

(萩原遼太朗)

(ベトナム)

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