カナダ中銀、政策金利を2.25%に据え置き、5会合連続
(カナダ、米国)
トロント発
2026年06月15日
カナダ中央銀行は6月10日、政策金利を2.25%に据え置くと発表
した(政策金利レート推移参照
)。金利の据え置きは5会合連続となる(2026年5月1日記事参照)。
中銀は据え置きの理由について、カナダの経済活動が引き続き弱い状況にあることに加え、米国による関税措置を巡る不確実性が依然として高いことを挙げた。また、中東紛争の長期化に伴うエネルギー価格の上昇や供給網への影響が、世界経済の成長を下押しし、インフレ率を押し上げたともみている。
カナダ経済については、2026年第1四半期のGDP成長率が前期比年率でマイナス0.1%となり、4月の金融政策報告(MPR)時点の見通しを下回った(2026年6月5日記事参照)。個人消費は1.4%増加した一方、政府支出は減少。住宅関連活動や企業投資も弱含みで推移したほか、輸出は減少し、輸入は在庫積み増しを背景に増加した。雇用は5月に増加したものの、年初以降はおおむね横ばいで、失業率は6.5~7.0%の範囲で推移し、5月は6.6%だった。
物価動向については、4月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比2.8%だった(2026年5月22日記事参照)。中銀は、原油価格上昇などを背景にエネルギー価格が上昇した一方、その影響が他の物価へ広範に波及する兆候は限定的とみている。世界の原油価格は依然として高水準であることから、総合インフレ率は当面3%前後で推移した後、徐々に2%へ低下するとの見通しを示した。
発表を受けて、CIBCキャピタルマーケッツのエグゼクティブ・ディレクター兼シニアエコノミストのアンドリュー・グランサム氏は「中銀は経済リスクの動向を慎重に見極める姿勢を示した」と述べた上で、原油価格や通商を巡る不透明感が和らげば、現在の金利水準が2026年後半から2027年にかけて景気回復を下支えすることが想定されるため、2026年中は政策金利が据え置かれると予想した(CIBCエコノミックフラッシュ6月10日)。
中銀の次回の政策金利と、経済見通しを示す金融政策報告書の発表は、7月15日に予定されている。
(井口まゆ子)
(カナダ、米国)
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