カナダの第1四半期GDP成長率、前期比年率マイナス0.1%

(カナダ)

トロント発

2026年06月05日

カナダ統計局が5月29日に発表した2026年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は、前期比年率マイナス0.1%外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとなり、2四半期連続のマイナス成長となった(添付資料表参照)。また、2025年第4四半期(10~12月)のGDP成長率は、マイナス0.6%からマイナス1.0%、第3四半期(7~9月)は2.4%から1.9%へ、それぞれ下方修正された。

統計局は、GDPの主な減少要因として、輸入の増加と投資の減少による下押し圧力を挙げた。商品の輸入は前期比2.9%増加し、その約半分は中間金属製品や金属くず・スクラップに分類される金関連の輸入によるものだった。また、米国による関税措置の影響で乗用車や小型トラックの対米輸出が減少した。さらに、企業の資本投資は5四半期連続で減少し、エンジニアリング構造物への投資が前期比4.6%減と大きく落ち込んだほか、中古住宅市場の低迷を背景に住宅投資も減少した。政府の資本投資も、2025年末の兵器システムへの大型投資の反動により縮小した。

一方、増加要因としては、企業在庫の積み増しと家計消費の拡大が挙げられる。企業在庫は金輸入の増加を背景に積み上がり、家計消費は金融サービスや食品への支出増により拡大した。輸出面では、乗用車や小型トラックが減少したものの、原油、ビチューメン(歴青、注1)、天然ガスの輸出増加が減少を相殺した。さらに、設備投資の一部では、機械・設備(前期比2.5%増)、鉱物探査・評価(27.9%増)、非住宅建築(2.1%増)、ソフトウエア(1.9%増)への支出が増加し、投資全体の減少幅を抑制した。

統計局の発表を受け、トロント・ドミニオン銀行の調査部門TDエコノミクスのディレクター兼シニアエコノミスト、アンドリュー・ヘンシック氏は、カナダ経済は依然として生産能力を大幅に下回る水準にあり、テクニカルリセッション(注2)の瀬戸際にあると指摘した。また、インフレ圧力は抑制されやすい状況にあり、足元ではエネルギーショック起因のインフレが見られるものの、カナダ中央銀行は当面、政策変更を行わず様子見を続ける可能性が高いと予測した(「TDエコノミクス」5月29日)。

(注1)天然に産する炭化水素類、あるいはそれらを含む非金属誘導体などの混合物の総称。

(注2)2四半期連続でGDPがマイナス成長を記録すること。

(井口まゆ子)

(カナダ)

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