4月のカナダ消費者物価指数、前年同月比2.8%上昇

(カナダ)

トロント発

2026年05月22日

カナダ統計局が5月19日に発表した2026年4月の消費者物価指数(CPI)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、前年同月比2.8%の上昇となり、3月(2.4%、2026年4月22日記事参照)を0.4ポイント上回った(添付資料表参照)。

統計局は上昇の主な要因として、エネルギー価格(前年同月比19.2%増)を挙げた。特にガソリン価格の大幅な上昇(28.6%増)により、輸送費が押し上げられ、全品目CPIの上昇加速につながったと分析。また、2025年に実施された消費者炭素税(注)の引き下げの影響が前年比の計算から外れたことも、ガソリンや天然ガスの価格の前年比を押し上げ、CPI全体に上昇圧力をもたらしたと説明した。中東情勢に伴う供給の不確実性に加え、より高コストな夏季用燃料への切り替えという季節的な要因も指摘した。燃料油やその他の燃料価格上昇(41.3%増)、天然ガス価格の下落幅の縮小(3月18.1%減、4月2.4%減)といったエネルギー価格に加え、衣料品・履物価格が前月の下落から上昇(3月0.4%減、4月2.0%増)に転じたことも、CPIの押し上げに寄与したとしている。

一方で、上昇を抑制した要因として、旅行ツアー価格の大幅な下落(3月11.5%増、4月11.0%減)を挙げ、これは冬の旅行シーズン終了後の需要減少など、季節的な影響によるものと説明。また、家賃の上昇率が前年同月比で鈍化した(3月4.2%増、4月3.6%増)ことも、全体のインフレ圧力を和らげたとしている。エネルギー関連が全体の上昇を主導する一方で、ガソリンを除いたCPIは2.0%上昇と3月よりも低い伸びとなったことから、エネルギー以外の分野ではインフレ圧力が比較的緩やかだったことも示された。

発表を受けて、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)傘下のRBCエコノミクスのエコノミスト、アビー・シュウ氏は「エネルギー価格が高止まりする期間が長引けばインフレリスクが高まる可能性はあるものの、全体として4月のデータは、カナダ中央銀行が2026年末まで政策金利を据え置くという当社の基本シナリオを裏付けるものだ」と述べた(RBCデータフラッシュ5月19日)。

(注)連邦温暖化ガス汚染価格制度(GGPPA、Greenhouse Gas Pollution Pricing Act)は連邦OBPS制度(Output-Based Pricing System)と連邦炭素税制度(Fuel Charge)で構成される。連邦炭素税制度は、最終消費者を対象に温室効果ガス(GHG)排出に直接かかわる化石燃料(ガソリンや軽油)に対して課される税で、全ての条件を満たした納税者に対し、個人向けカナダ炭素税還付(CCR)が適用される(2023年9月27日付地域・分析レポート参照)。

(井口まゆ子)

(カナダ)

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