米・イラン協議スイスで開始、パキスタンとカタールが仲介
(米国、イラン、イスラエル、レバノン、スイス、パキスタン、カタール)
テルアビブ発
2026年06月22日
米国とイランは6月21日、スイス・ビュルゲンシュトックで高官級協議を開始した。6月17日に両国が軍事行動停止と核協議再開を柱とする覚書に署名したことを受けたものであり、停戦履行と交渉枠組みの制度化に向けた初の対面協議となる(2026年6月19日記事参照)。
スイスの連邦外務省(FDFA)
によると、協議には米国およびイランの代表団に加え、仲介国であるパキスタンとカタールが参加した。AP通信(6月22日付)によると、米国側はJ.D.バンス副大統領を団長とし、ジャレッド・クシュナー氏とスティーブ・ウィトコフ大統領特使が同行した。一方、イラン側はモハンマド・バーゲル・ガリバフ国会議長が代表団を率い、アッバース・アラーグチー外相が加わった。仲介国としてパキスタンのミアン・ムハンマド・シャバズ・シャリフ首相およびカタールのムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ首相兼外相が同席した。
米国ホワイトハウス
によると、協議冒頭に、シャリフ首相は今回の協議について「生産的な成果につながる議論になる」と述べ、「世界の平和と進歩、繁栄を促進する合意文書を手にすることを願う」と期待を示した。一方、バンス副大統領は「今回の協議は技術交渉の始まりであり、全ての相違を解決するものではない」と位置付けた上で、「核放棄などが実現すれば米イラン関係の抜本的転換も可能」と言及した。他方、「レバノン停戦は進展しているが、さらなる努力が必要」と述べた。
レバノン停戦は不安定、イスラエルは作戦継続
レバノン南部では、イスラエルとの停戦後(2026年6月4日記事参照)も戦闘が断続的に続いている。イスラエルは親イラン武装組織ヒズボラへの軍事作戦を継続しており、イスラエル国防軍(IDF)は6月19日にX(旧Twitter)で、「ヒズボラが停戦違反と地域の不安定化を続けている」としつつ、「われわれは自国民の保護とテロへの対処に引き続き取り組む」と表明した。また、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は国境周辺に安全地帯を設置した上で「必要な限り同地域にとどまる」と述べ、「脅威の未然排除」を柱とする防衛方針をあらためて強調している(2026年6月17日記事参照)。
これに対しイラン側は6月20日、イスラエルによるレバノン南部での停戦違反や攻撃継続を理由にホルムズ海峡の封鎖を発表した(「タスニム通信」6月20日)。
こうした中、米国のドナルド・トランプ大統領は6月21日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、イランに対し「レバノンにおける代理勢力を直ちに止めなければならない」と述べ、「従わなければ、前回よりもさらに強力に攻撃する」と表明した。
レバノンにおける代理勢力に関するトランプ大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル」でのコメント画面(トゥルース・ソーシャルのトランプ大統領の公式アカウントより)
イスラエルの軍事衝突の関連情報は、イスラエルとハマスの衝突の特集、イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報を参照。
(中溝丘、イバン・ステシェンコ)
(米国、イラン、イスラエル、レバノン、スイス、パキスタン、カタール)
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