シェインバウム大統領、投資の促進・確実性向上のための措置を複数発表

(メキシコ)

メキシコ発

メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は5月4日、国立人類学博物館で、「プラン・メキシコ」(2025年1月17日記事参照)の一環として、投資の促進および確実性向上を目的とした複数の政令・省令を発表し、署名式を行った。関連する大臣や長官が参加し、それぞれの内容について説明した。シェインバウム大統領は今回の措置について、長期的かつ主権的な経済戦略を通じて、尊厳ある公正な雇用、家庭の福祉、そして「分かち合う繁栄」を保証することが目的だと述べた。

デジタル変革・通信庁のホセ・アントニオ・ペニャ・メリノ長官は、署名された2つの政令について次のように説明した。「投資の即時承認に関する政令」では、要件(注1)を満たす投資において、デジタル申請を導入することで、承認プロセスを30日以内に簡素化する。また、大統領直属の投資局および投資委員会が設置され、30日以内に「投資プロジェクト承認証明書」を発行する。さらに、その他の民間投資については、連邦政府の手続きの全てが、最長90日以内に処理・決定される。また、「貿易通関手続きのワンストップ窓口を設置する政令」では、貿易通関に関する経済省、国税庁(SAT)、税関庁(ANAM)のワンストップ窓口を設立する。「貿易通関統一ファイル」が導入され、資料の提出は一度限りで済み、許認可の承認や登録の追跡に加え、自社取引の特定および関連する通知の受信が可能となる。

エドガー・アマドール・サモラ大蔵公債相は、「生産的投資および税務コンプライアンスの促進に向けた指針と一般基準を定める省令」を発表し、法的確実性を強化し、二重課税を回避すると説明した。また、その措置の一環として、納税者擁護庁(PRODECON)との機能的・行政的な連携を改善すると述べた。連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)のビクトル・ウーゴ・ボルハ長官は、COFEPRISの手続き簡素化に関する省令を発表。また、これまでにCOFEPRISの手続きを340から125に簡素化し、要件を14から7に削減し、承認期間を100日から24日に短縮したと強調した。

ルス・エレナ・ゴンサレス・エネルギー相は、再生可能エネルギーによる発電割合を24%から38%に引き上げる方針を発表した。電力庁(CFE)は、現在建設中の13カ所の発電所に加え、入札済みの4カ所、および入札手続きに入る予定の2カ所を稼働させるとした。これらにより合計1万1,000メガワット(MW)の再生可能エネルギーが供給され、これに民間投資が加わることで合計2万2,000MWを見込む。既に再生可能エネルギーによる5,000MWの民間発電を認可したという。官民の共同投資では再生可能エネルギープロジェクトの公募に81件の応募があったとし、5月中に審査結果を発表するとした。さらに、「デジタル窓口」の設置に関する省令に署名し、許認可取得にかかる時間を60%短縮するとした。その中で、9つの手続きが1つになるとし、CFEに系統接続しない自家発電(注2)の許可であれば、1カ月での取得が可能になると強調した。

写真 政令に署名するシェインバウム大統領(左から3番目、ジェトロ撮影)

政令に署名するシェインバウム大統領(左から3番目、ジェトロ撮影)

(注1)「投資の即時承認に関する政令」の対象となる投資の要件は次の2点。

  1. 経済省が定める福祉経済開発拠点(Polos de Desarrollo Económico para el Bienestar:PODECOBI」やメキシコ環境天然資源省(SEMARNAT)が定める「福祉における循環経済開発拠点(Polos de Economía Circular para el Bienestar)」における投資であり、かつ、投資額が少なくとも20億ペソ(約180億円、1ペソ=約9.0円)以上であること。なお、PODECOBIの詳細は、2025年5月27日記事2026年2月9日付地域・分析レポートを参照。
  2. メキシコ政府が戦略的セクターとする電子技術、繊維、自動車・自動車部品、エネルギー、化学などの分野におけるプロジェクトにおける投資であること。

(注2)CFEに系統接続しない自家発電は、0.7MW以上の発電は許認可が必要となる。20MW以下であれば手続きが簡素化される。詳細は、2025年5月1日付地域・分析レポート参照。

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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