欧州委、2026年末の森林破壊防止デューディリジェンス規則の適用に向け、新措置を発表

(EU)

ブリュッセル発

2026年05月07日

欧州委員会は5月4日、森林破壊防止デューディリジェンス規則(EUDR)の対応負担の軽減に向けた見直しに関する報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。報告書は、これまでの負担軽減策(2025年4月17日記事参照)や簡素化法(2025年12月9日記事参照)に、今回の新たな措置を加味すると、対象企業の対応費用は、施行当初に比べ約75%削減できると強調。簡素化法の規定どおり、2026年末から適用を開始する方針を示した。

今回の見直しは、簡素化法においてEUDRのさらなる負担軽減に向け、EU理事会(閣僚理事会)と欧州議会が欧州委に対し検討するよう求めていたものだ。EUDRを巡っては、2023年6月に施行されたものの(2023年6月13日記事参照)、大幅な負担増となる事業者や域外国などからの強い反発を受け、既に適用開始が2度延期されている。

今回の措置では、欧州委はまず、EUDRに関するガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますFAQ(よくある質問)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを更新した。これは、簡素化法を踏まえ対象事業者の義務などを明確化するためのものだ。例えば、簡素化法で導入された「下流事業者」に関し、対象品目を初めて域内市場に上市(市場投入)する事業者(上流事業者)から最初に供給を受ける下流事業者(第1下流事業者)は、上流事業者が実施するデューディリジェンス(DD)宣言書の参照番号を収集し保管する義務を負うが、下流事業者が供給先から参照番号の提供を受けない場合、第1下流事業者でないことが推定され、参照番号の収集保管義務を負わないことなどが明記されている。

また、上流事業者は、DDを実施するにあたり、対象品目が生産国の法律に順守し生産されているか、場合によっては特定の認証を受けているかを確認する必要がある。欧州委は、こうしたDDの実施を円滑化すべく、確認すべき生産国の関連法と対象品目に適用される認証制度をまとめたリポジトリを新たに設置する。DD宣言書の提出先となる情報システムについても、簡素化法に対応させた上で、6月に運用を再開する予定だ。

さらに欧州委は、対象品目を修正する委任規則案も公開した。これによると、牛の生皮や加工牛皮、更生タイヤなどの派生製品のほか、製品サンプル、特定の包装材、中古品、廃棄物などを対象から除外する。一方で、インスタントコーヒーや特定のパーム油由来の加工品などを追加する。委任規則案は、2026年6月1日までパブリックコメントを募集したのち、正式に提案され、EU理事会と欧州議会が反対しなければ施行される。

(吉沼啓介)

(EU)

ビジネス短信 cd649c4e591ac289