第1四半期のGDP成長率は前期比0.8%、EUで2位の高さに

(ハンガリー)

ブダペスト発

2026年05月07日

ハンガリー中央統計局(KSH)は4月30日、2026年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率の速報値を発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同発表によると、第1四半期のGDP成長率は前年同期比1.7%、前期比0.8%となった(いずれも季節調整済み)。前年同期比では2022年第3四半期以来、前期比では2023年第3四半期以来の最高水準となる。EU統計局(ユーロスタット)が4月30日に公表したデータ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、ハンガリーの前期比0.8%の成長率は、EUの第1四半期においてフィンランドの0.9%に次ぐ成長率となった。

KSHは今回の成長要因として、サービス業(特に、専門・科学・技術・管理サービス分野)が主な牽引役になったと説明したほか、工業生産が長期低迷から脱したことも、プラスに寄与をしたと発表した。詳細データは、6月2日にKSHが第2次速報値として公表する予定だ。

ハンガリーのメディアは、成長の背景には、4月12日の議会総選挙(2026年4月16日記事参照)に向けた政府の大規模な財政出動があったとしている。具体的には、最低賃金の引き上げ(2025年12月10日記事参照)、家族向け税額控除拡充などの前政権の政策が寄与したとみている。

今後の見通しについて、ハンガリー国立銀行(MNB)は、3月26日に公表したインフレ報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)において、2026年のGDP成長率を1.7%と予測している。同報告書によれば、成長の主な牽引役はサービス業が引き続き担う見通しで、実質賃金の上昇、財政措置による所得増加、そして歴史的高水準だった貯蓄率の低下により、個人消費も力強い成長を維持するとしている。

一方、工業生産は長期低迷から脱したとはいえ、2026年も低調に推移する可能性がある。しかし、中国の大手電気自動車(EV)メーカー比亜迪(BYD)や車載電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)など、新たな自動車関連製造拠点が国内で2026年後半に本格稼働することで、同セクターが2026年末にかけて勢いを取り戻す可能性がある(2026年1月9日付地域・分析レポート参照)。また、地政学的緊張により伸び悩む輸出を下支えする効果も期待され、2027年以降はハンガリーの輸出市場シェアが再び拡大に転じる可能性があると、MNBは見込んでいる。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー)

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