EUとメキシコがFTA現代化に署名
(メキシコ、EU)
調査部米州課
2026年05月26日
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は5月22日、欧州理事会のアントニオ・コスタ常任議長、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長とメキシコシティで首脳会談を行い、メキシコ・EU間の自由貿易協定(FTA)を含む総合協定(経済パートナーシップ・政策調整・協力協定)の現代化に署名した。今後、双方での手続きを経て、2000年7月から発効している現協定に代わって発効する。
同協定の現代化交渉は2016年5月に開始し、2025年2月に完了したと欧州委員会が発表していた(2025年2月3日記事参照)。農産品分野では、チーズ、豚肉、チョコレートなど関税削減対象品目を拡大する。そのほか、eコマースなどサービス貿易に関するルール、腐敗防止や環境などサステナビリティーへの配慮、地方政府レベルへの政府調達の解放など、最新世代の内容を盛り込む(注1)。
同日の共同宣言(英語
、スペイン語
)では、現代化協定の署名に加え、多国間主義およびルールに基づく国際秩序の堅持、科学・技術・イノベーションにおける協力拡大などを確認した。主な内容は次のとおり。
- 総合協定の現代化を通じて、メキシコ・EU間の対話・貿易・投資・イノベーションなどをさらに発展させる。
- EUの対外インフラ支援戦略である「グローバル・ゲートウェイ」(2021年12月3日記事参照)をメキシコでも推進し、「プラン・メキシコ(注2)」を支援する。
- 国際ルールおよび多国間主義へのコミットメントを確認する。
- 研究・イノベーション、医薬品、犯罪対策、サーキュラーエコノミー、デジタル分野、人権保護など、多様な分野における協力を拡大する。
- 政府間対話および調整を一層強化するため、新たに「戦略的政策対話」を立ち上げる。
コスタ常任議長は「現在の地政学的状況の中、われわれの協力はかつてないほど重要だ」と述べ、本協定の現代化は単なる通商協定だけでなく、公正な貿易や持続可能性、ルールに基づいた協力を堅持するという意思表示であるとした。米国との関係への影響に関する記者からの質問に対し、シェインバウム大統領は「(米国とEU)どちらとの関係も強化したい」として、対米交渉にも引き続き注力する姿勢を示した。
(注1)現代化による変更点は2025年2月3日記事や欧州委員会の協定別ページ
を参照。
(注2)シェインバウム大統領が2025年1月に発表した国家開発計画(2026年2月9日付地域・分析レポート参照)。2026年2月にはこの一環で50兆円規模のインフラ投資計画も発表している(2026年2月13日記事参照)。
(加藤遥平)
(メキシコ、EU)
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