中東でEV販売が拡大、トルコも成長市場に、IEA報告

(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタール、トルコ)

調査部中東アフリカ課

2026年05月27日

国際エネルギー機関(IEA)は520日、「世界EV見通し2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した(2026年5月22日記事参照)。IEAは、中東情勢悪化に伴うエネルギー危機が各国の石油輸入依存への懸念を高め、原油価格の上昇で電気自動車(EV)の経済的優位性を押し上げると指摘。原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を巡っては、国際機関や各国が通航再開に取り組んでいる(2026年5月15日記事参照)。一方で、情勢悪化の経済的影響は自動車販売全体の抑制要因となり得るものの、政策対応次第ではEV市場には上振れの余地も残されているとした。

こうした中、中東地域ではEV販売が拡大しており、2025年の販売台数は約75,000台に達し、前年比で40%以上増加した。アラブ首長国連邦(UAE)が引き続き最大で、約50%を占めているものの、周辺国市場の拡大を背景に、そのシェアは2023年の60%超から低下した。特にサウジアラビアとカタールにおいて伸びが顕著で、2025年は両国で地域の約45%を占めた。また、EV販売が本格的に開始した2020年時点では、米国テスラの車両が販売の約半分を占めていたものの、2025年はそのシェアが約15%まで低下。一方、2022年に参入した中国の比亜迪(BYD)が急速にシェアを拡大し、2025年は約60%を占めたという。

さらに、IEAの分類では欧州に含まれるトルコもEV市場が急拡大(2026年5月19日付地域・分析レポート参照)していると報告。税制優遇や国内生産の拡大が普及を後押し、2025年のEV販売台数は前年比2倍の約24万台、新車販売に占める割合も20%超となった。トルコの国産EVメーカーTOGGの販売台数は、2025年は30%増ながらも、参入企業の増加によりシェアは2024年の30%から2025年は15%超へ低下した。

また、トルコにおいて価格面では、バッテリー式電気自動車(BEV)の価格プレミアムが2024年の約30%超から約10%に縮小したほか、プラグインハイブリッド車(PHEV)でも同様に140%超から約35%へ大きく低下し、中国車などの低価格の車両の輸入が需要拡大に寄与した。IEAは、追加関税の導入により今後は輸入EVの価格に上昇圧力がかかる可能性があるとしている。

写真 トルコの国産EVメーカーTOGG(ジェトロ撮影)

トルコの国産EVメーカーTOGG(ジェトロ撮影)

(加藤皓人)

(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタール、トルコ)

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