中国、2030年までにサービス業の産業規模100兆元を目指す

(中国)

北京発

2026年04月23日

中国国務院は4月14日、「サービス業の能力拡大と質の向上に関する意見」(国発[2026]7号、以下意見)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(中国政府網への掲載日は4月21日)。サービス業の質を高め、雇用拡大を牽引する機能をよりいっそう発揮させるとともに、サービス業の発展を制約する障害を取り除き、現代化産業体系の建設を加速させるとしている。

意見では、2030年までにサービス業の産業規模を100兆元(約2,300兆円、1元=約23円)に到達させるとした。また、より多くの「中国サービス」のブランドを育成し、サービス業における国際的な競争力と影響力を強化するとした。

具体的には、4分野20項目の施策を打ち出した(詳細は添付資料表参照)。各業種に対する施策としては、科学技術サービスによるサポート効果を強化するとして、工業デザイン分野のリーディングカンパニーの育成や、知的財産権の戦略コンサルティングサービスの発展、新興産業・未来産業に特化したインキュベーターの立ち上げなどが示された。そのほかには、貨物運輸、倉庫、卸売り、ソフトウエア、情報通信(注1)、データ・情報技術、銀行・証券・保険、リース、省エネ・炭素排出削減、環境対策、リサイクル、法律・コンサルティング、人的資源管理、家事代行、小売り、養老・介護、育児・保育、医療衛生、保健、文化・観光、スポーツ、宿泊・飲食など幅広い業界で、それぞれのサービス機能向上に向けた取り組みが示された。

業界別の施策のほかに、サービス業の標準構築も打ち出している。具体的には、家事代行、介護、飲食業などの分野における標準や規範を整備するとした。また、低空サービス、農業社会化サービス(注2)などの新業態や融合業態のサービス標準の策定も加速させるとしている。

対外開放については、付加価値電信業、バイオテクノロジー、外資系独資病院などでの試験的開放をさらに拡大するとした(注3)。さらに、サービス貿易のネガティブリスト管理制度を整備し、データの越境に関するコンプライアンス評価やセキュリティー認証などのサービス能力を向上させるとした。また、文化・観光サービスの輸出として、インバウンド消費を促進する方針も打ち出した。

中国国家統計局が1月19日に発表したデータによると、2025年のサービス業付加価値額は前年比5.4%増(実質)の80兆8,879億元だった。サービス業のGDP成長率への寄与率は61.4%で前年より3.7ポイント上昇した。また、国家統計局が4月17日に発表した2026年第1四半期のデータ(2026年4月20日記事参照)によると、サービス業付加価値額は前年同期比5.2%増の20兆6,117億元で、GDP成長率への寄与率は63.2%だった。

(注1)意見では、第5世代移動通信システム(5G)の大規模な応用をさらに推進するとともに、第6世代移動通信システム(6G)技術の研究開発を強化するとしている。また、衛星インターネットの応用サービスを発展させるとした。

(注2)主に小規模農家に対し、専門的かつ科学的、効率的な手法を基に、「耕作、播種(はしゅ)、管理、防除、収穫、金融、保険」といった全工程にわたるサービスを提供し、現代農業への転換を促すサービス。

(注3)3月5~12日に開催された第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議でも、対外開放における政策として付加価値電信、バイオテクノロジー、外資系独資病院の試験的開放が示されていた(2026年3月6日記事3月17日記事参照)。

(亀山達也)

(中国)

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