2026年の成長目標は「4.5~5.0%」、全人代で10項目の重点業務を掲げる
(中国)
北京発
2026年03月06日
中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議が3月5日に開幕し、李強首相が政府活動報告を行った。2026年の実質GDP成長率は「4.5~5.0%」とするなど、経済関連の目標を示した(添付資料表1参照)。
2026年の目標達成に向け、財政赤字を前年比2,300億元(約5兆600億元、1元=約22円)拡大の5兆8,900億元規模とし、GDP比で4%前後とした。地方政府専項債(注1)は4兆4,000億元とし、特別国債を3,000億元(注2)、超長期特別国債(注3)を1兆3,000億元発行する。金融政策は引き続き、適度な緩和を実施するとした。
2026年の重点業務としては10項目を掲げた(添付資料表2参照)。
2025年に続き、重点業務の筆頭には国内市場・消費がテーマに挙げられた(2025年3月6日記事参照)。1.「強大な国内市場の整備に力を入れる」では、消費押し上げ特別行動を前年に続き踏み込んで実施するとし、所得向上のほか、給与・社会保障制度の整備や、消費財買い替え支援などが挙げられた。また、消費分野における不合理な制限措置を撤廃し、文化・観光、スポーツ、健康・療養などの分野の潜在的需要を喚起するとした。
産業分野については2.「新たな原動力の育成・強化を加速させる」において、従来型産業の最適化ならびに高度化を図るとして、超長期特別国債で設備の大規模な更新を支援するとした。また、新興産業と未来産業の育成として、集積回路、航空宇宙、バイオ医薬、低空経済などを新興基幹産業として挙げた。
社会主義市場経済体制の構築に向けた動きとしては、4.「重点分野の改革を持続的に深化させる」で全国統一大市場の建設を深化させるとしている。条例を作成し、税制優遇と財政補助政策を規範化する。
対外開放については5.「ハイレベルの対外開放をさらに拡大する」で、制度型開放と国際循環の拡大を行うとしている。サービス業を重点に、付加価値通信やバイオテクノロジー、外資系独資(単独資本)病院などの分野で試験的開放をさらに進める。また、デジタル分野の開放を順序立てて行い、クロスボーダーサービス貿易のネガティブリストを縮小する。また、デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)と、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入交渉を積極的に推進するとした。
不動産については、不動産市場がなお調整を続けているとの認識のもと、10.「重点分野のリスク防止・解消と安全保障能力の整備を強化する」で不動産市場の安定に注力するとした。
(注1)省、自治区、直轄市などが収益性のある公益プロジェクト実施を目的として発行する地方債券。プロジェクトに対応する政府基金収入、もしくはプロジェクトの収入により、元利を返済する。2026年は主に重大プロジェクトの建設、隠れ債務の置換、政府未払い債務の解消などに用いるとしている。
(注2)主に国有大型商業銀行の資本補充に用いるとしている。
(注3)「両重」(国家重要戦略と重点分野の安全保障能力)や「両新」(設備更新と消費財買い替え)に用いるとしている。具体的には、「両重」建設に8,000億元、消費財買い替え促進に2,500億元、大規模設備更新支援に2,000億元を充当するとしている。
(亀山達也)
(中国)
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