3月の米小売売上高は前月比1.7%増、ガソリン価格高騰や税還付が寄与

(米国)

ニューヨーク発

2026年04月22日

米国商務省の速報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(4月21日付)によると、3月の小売売上高(季節調整値)は前月比1.7%増の7,521億ドル(添付資料表参照)となり、ブルームバーグの市場予想(1.4%増)を上回った。また、2月は同0.6%増(速報値、2026年4月2日記事参照)から0.7%増に上方修正された。なお、統計の発表は、政府閉鎖の影響(2025年11月14日記事参照)で当初予定されていた4月16日から遅延した。

業種別にみると、13業種のうち12業種で増加した。特にガソリンスタンドは、前月比15.5%増の606億ドル(プラス1.10ポイント)で、最大の押し上げ要因だった。イランとの紛争から、3月のガソリン価格の上昇率は前月比21.2%増(2026年4月14日記事参照)と、1967年の統計開始以来、最大の伸びを示しており、今回の伸びはほぼ価格上昇による影響とみられる。そのほか、自動車・同部品(0.5%増)、家具(2.2%増)など耐久財に関連する売り上げも増加しており、税還付が影響している可能性が高い(注)。他方、フードサービスや衣類など価格上昇に伸びが追い付いていないものもあるなど、支出は選別的に行われているもようだ。

今回の結果は、エネルギー価格の急騰に加え、税還付に伴う一時的な購買力の高まりが全体数値を押し上げた。しかし、物価高は家計の負担増となっており、買い控えていた耐久財に支出するかわりに一部の支出を抑制するなど、必ずしも消費者が家計を楽観的に見ているとは限らないことを示す内容となった。ブルームバーグのエコノミスト、エライザ・ウィンガー氏は「イラン情勢を巡る緊張の高まりに伴うガソリン価格の上昇が、3月の小売売上高の伸びを牽引した。消費者が家計のより多くの部分を燃料費に充てざるを得なくなったにもかかわらず、全体的な需要は予想以上に堅調に推移した。これは、税還付額の大きさや、高所得世帯の回復力の持続を反映しているものと思われる。しかし、インフレを考慮に入れると、状況はそれほど楽観視できない」と先行きに対する懸念も示した。

(注)2026年はトランプ政権下で成立した「大きく美しい1つの法案法(OBBBA)」の影響で税還付額が例年より高くなると予想されていた。

(樫葉さくら)

(米国)

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